サッポロビール株式会社(渋谷区恵比寿・代表取締役社長 福永勝氏)が、9月30日、飲食店向けに全国発売を開始した「麦とホップ」の樽詰。スーパーやコンビニを中心に缶(350ml、500ml)では好調な売れ行きとのことであるが、飲食店の利用客からはどのような声が上がっているのだろうか? 株式会社ヨシムラ(本社・宮城県仙台市青葉区)が経営する和風居酒屋「おでんと馬肉 馬場 よしお」(高田馬場)は、ビール系飲料については「麦とホップ」1本で営業している。同社の飲食事業部部長・角英治氏に話を聞いた。
10月16日、高田馬場駅から徒歩3分の早稲田通り沿いに、「おでんと馬肉 馬場よしお」がオープンした。近隣のサラリーマンをターゲットに価格帯は2000〜3000円程度。「馬肉」と「おでん」を中心にフードメニューは豊かなバリエーションを揃えるが、ビール系飲料は「麦とホップ」1点に絞って勝負にでた。
------発売から2ヶ月が経ち、「麦とホップ」を導入する店は増えましたが、樽生ビールを併用する店がほとんどですよね。飲み放題に加えたり、ジョッキのサイズを大きくしてビールと同じ価格で提供したり。3000円という客単価でありながら敢えて「麦とホップ」一点に絞った決め手は何ですか?
もともとは発泡酒の樽生を使用することを検討していました。そんな時、「麦とホップ 樽詰」の試飲会があったので、早速参加したんです。とにかく泡のきめ細やかさに驚きました。その場で「コレはいける!」と確信しましたね。味に関しても、まさに「ビールと間違えるほどのうまさ」。これなら「麦とホップ 樽詰」をウリにできると思ったのです。
出店立地は人通りの少ないビルの2階ですから、やはりお客様を呼び込むには価格も大切。樽生ビールを低価格で提供したら、お客様には喜んでいただけるかもしれませんが店側として非常に厳しい。利益を確保しつつお客様にも満足して頂けるアイテムとして、非常に魅力的だと思いました。価格面も導入の決め手となりました。
------実際、注文する際に樽生ビールだと勘違いするお客様は多いのですか?
メニューには「麦とホップ」と目立つように書いていますし、ポスターも貼っています。味の面でも、飲んでいただいたお客様から不満が上がることはまずないですね。価格がリーズナブルなので、むしろ好評です。"ビールが欲しい"という方向けに瓶ビール(黒ラベル)を用意してますが、「ま、一度飲んでみてください」といって「麦とホップ」をお勧めしています。
------販促で工夫されていることはありますか?
「出勤簿」というカードを作って、1回来店する毎に1ポイント差し上げています。3ポイントたまると「男前ジョッキ」(730円)をサービスします。通常のジョッキ3杯分はある大ジョッキです。これがリピーター獲得に繋がっていますね。
男前ジョッキは、単品でも毎日10杯くらい注文があります。提供する際には、お客様のお名前を伺って「○○さん、よっ!男前!」とホールの女性スタッフが声をかけるんです。併せて周りのスタッフも「よっ!男前!」と盛り上げるんですね。そうすると、見ていたお客様が「何だあれは」「こっちでもやれっ」と(笑)。
「麦とホップ」は口当たりがいいので、ビールよりしつこくないというか飲みやすいと思います。味わいはしっかりしているので、軽いタッチというイメージはないですね。お客様の評価も非常によく、今後もこれ1本でいけると考えています。現在は「麦とホップ」と相性のいいメニューを開発中です。「馬肉ソーセージ」はイケますよ。
------ところで、料理は「馬肉」と「おでん」がウリですね。ちょっと敷居が高い「馬肉」と庶民的な「おでん」。このユニークな組み合わせにしたのは何故ですか?
このロケーションで出店することが決まってから、何かお客様の目を引くものがないかと考えていました。ちょうどその時、クオリティの高い馬肉屋さんと出会う機会がありまして。しかしあくまでも馬肉専門店のような敷居の高い店ではなく、客単価2000〜3000円で美味しく食べられる居酒屋を目指してたんで、大衆的なメニューと組み合わせた業態を考えたんです。焼き鳥や串カツを出す店は沢山あるし......。美味しいおでんを提供する居酒屋は少ないですし、何より多くの人に親しみのあるメニューです。しかも原価は比較的低く抑えられる。これが"馬肉とおでんでいこう!"と決めた理由です。
馬肉の高級感を割安感タップリの他フードメニューやドリンク類でカバーしますので、コストパフォーマンスは非常に高いと思います。お会計してみて"お、安いな"という感じですね。
今、お客様が低価格志向を強めていることは間違いないと思います。周辺の高単価店からも苦戦している話を聞きます。ウチにいらっしゃるお客様の様子からも感じます。とはいえ2000円くらいの立ち飲み業態は最初から考えていなかったんです。資金力のあるところは別ですが、やはり基本的には無理がある。安かろう、まずかろうになるか、あるいは思いきり席を詰め込んでグリグリ回転させるか。いずれにせよ2000円クラスの業態は、我々にはとても難しいです。ですから客単価を3000円に設定して、いかにコストパフォーマンスが良い店を作るかを考えていました。"タップリ飲んだ、楽しかった。3000円でお釣りがくる"という店にしたかったんです。これがお客様にもお店にも無理なく長く営業できるスタイルだと思いますので。
------今後の展開としては、どのようにお考えですか?
年明けにもう1店舗、エリアとしては新橋か池袋辺りで出店したいと考えています。将来的には5店舗は展開したいと考えており、業態を確立できたらライセンス展開も視野にいれています。展開のキーとなるものの1つが「麦とホップ」ですね。
佐藤編集長:僕なんかビール党だから、昔から店に入ったらまずビールだった。でも最近、ビールが随分割高だと感じる店もある。そんな時は最初から違うドリンクにしようかなと思っちゃう。ドリンクの価格設定が安いと、ちょっと高い料理を頼んでも安心。つまり、ドリンクの価格次第でフードメニューの注文数も変わってきちゃう。そう考えるとこの店は非常にバランスがいい。注文数を増やして客単価を上げるための仕組みをしっかり作っている。フードメニューのバリエーションは豊富だし、価格の高低差もあるので、お客としても利用動機に合わせて様々な使い方ができる。これからは今まで以上に"いろんなシーンで使える店"が有利な時代になるし、お客様から求められるよね。
| 店名 | おでんと馬肉 馬場よしお |
| 住所 | 東京都新宿区高田馬場4-13-12 柳月ビル2階 |
| アクセス | JR・東京メトロ高田馬場駅から各徒歩3分 |
| 電話 | 03-5332-3878 |
| 営業時間 | 17:00~24:00(23:00 L.O.) |
| 定休日 | 日・祝日 |
| 坪数席数 | 23坪・44席 |
| 客単価 | 2,500~3,000円 |
| 運営会社 | 株式会社ヨシムラ |