「ビールと間違えるほどのうまさ」がコンセプトの新ジャンル「麦とホップ」。販売元のサッポロビール株式会社(東京都渋谷区恵比寿)から、業界初の業務用樽詰が発売されて約8ヵ月。好調な売れ行きを見せている同社に、販売の現状や今後の方向性をうかがった。
――では最初に、改めて「麦とホップ」の商品特性やこだわりを教えていただけますか。
「麦とホップ」は、新ジャンルが「スッキリ系」と呼べるゴクゴク飲めるタイプが主流だった中で、よりビールに近い味を求める声が増えてきたことを受け、「コク系」の新ジャンルが各ビール会社からあいついで発表された時期に発売致しました。その後、外食の低価格化が進む中で、ビールに替わる低単価・高利益商品として「麦とホップ 樽詰」の販売を開始したのが09年9月のことです。"協働契約栽培の麦芽・大麦100%"を使用した「麦原料100%」であることと、弊社が長年ビール造りで培ってきた「長期熟成製法」を取り入れることで、当社ならではの「ビールと間違えるほどのうまさ」を実現しています。
――業界初の「新ジャンルの樽詰」ということで、市場を切り開くのは大変だったと思いますが...どのように販路が広がっていったのですか。
もともと弊社では、「ヱビス」「ヱビス・ザ・ブラック」「サッポロ生ビール」など、業務用の樽製品を何種類もご用意しています。それは、お客様に選ぶ楽しさを提案し、複数のビールテイストを楽しんでいただきたい、と考えているからです。「麦とホップ」も、そうした選択肢の一つとして、お客様に選んでいただければと思っています。そのため、発売当初から、「安いから」だけではなく、経営者の方に飲んで納得して頂いた上で導入して頂き、来店されるお客様が「麦とホップ」と分かったうえで選んでいただけるような売り方に留意しています。そのために、タイムサービスや飲み放題、料理とのセットなど、お店ごとの売り方に適したPOPを作るなど販促グッズも充実させています。
田村正和さん、仲間由紀絵さんらのCM効果もあって、「麦とホップ」という商品に対する知名度は9割にも達しており、「麦とホップ=新ジャンル」ということも理解いただけているケースが多いのでお勧めしやすいですね。
営業する中で、「麦とホップ 樽詰」なら飲んでみたいけれど、実際に飲める店はまだ少ない」という潜在的なニーズも多いと感じています。
――価格帯や立地特性など、実際に導入している飲食店の傾向はありますか。
大別して、均一価格居酒屋など低価格を売りにしている業態と、宴会需要に強く飲み放題を実施している業態に分かれます。既存の樽生ビールと「麦とホップ 樽詰」を併用するというケースが多いのですが、中には「麦とホップ 樽詰」1本に絞り込んでいただいたお店もあります。
首都圏とそれ以外、繁華街と郊外など立地による差はそこまでありませんが、やはり価格競争の激しい立地で導入していただくことが多いですね。また価格帯に関しては、夜の客単価が2,000~3,000円のお店が中心です。
食事メインの業態、たとえばラーメン店や定食店でも効果的だと考えています。ラーメン1杯に対してビールテイストの価格が500円以上するようですと、食事の価格と比較して注文しないお客様が多いんですね。そこで、ジョッキのサイズを小さくして安くしたり、ラーメンとセットで○○円、といった売り方を提案しお客様のニーズに応える形で「麦とホップ 樽詰」導入の可能性を広げています。
――導入している飲食店の反応はいかがですか。
喜んでいただけている点の一番はやはり味ですね。ビールと飲み比べても差がわからない、という声も多く、発泡酒から切り替えた飲食店に関しては、おいしくなったという声もいただきます。
価格競争が激しくなり、飲食店も原価をしっかり計算していかなくてはならない状況で、利益率の高い「麦とホップ」を検討したい、という飲食店は多いですね。
――では最後に、今後の目標や方向性についてお伺いします。
年内に全国7,000店舗を目標にしています。現在、すでに5,000軒の飲食店様に導入いただいており、お問い合わせも増えております。発売当初は導入を見送られた飲食店様からお問い合わせをいただくこともあります。これからの夏場は、ビールテイストの需要が高まる時期。とくに夏祭りイベントなどで「麦とホップ 樽詰」をアピールし、積極的に売り込んでいきたいと考えています。
そもそも「ビール」「発泡酒」「新ジャンル」といった括りは酒税法上の分類だけで、実際にのみ比べてみると、ビールに劣らないコクがあったり、ビールよりもさっぱりとして逆に飲みやすいなど、味の面ではビールにひけをとりません。にも関わらず、現状では「新ジャンル」というだけでビールより格下、というイメージが根強く残っているのも事実です。しかし、実際に飲んでいただいたお客様からは、「ビールと変わらない」、「コクがあっておいしい」という声を多数いただいており、今後も、少しでも多くのお客様に「麦とホップ 樽詰」を飲んでいただき、また、飲める飲食店様も増やしていきたいですね。
今回の座談会では、実際に「麦とホップ」の営業担当から飲食店様サイドの生の声もうかがうことができた。印象的だったのは、やはり「飲んでおいしい」という声が多かった、ということだ。「麦とホップ」に関しては、ブランディングが成功しており、消費者の新ジャンルへの抵抗感も薄れていると言ってよい。本年度の目標である7,000店舗に到達するのも、そう遅くはないだろう。
