【ニューオープン】
2011.11.18
湯島駅の出口から徒歩1分とかからない路地に店を構える、人形町で人気の小皿イタリアン「BALLONDOR(バロンドール)」の2号店、「PAPIN(パパン)」。バロンドールはグローバルダイニング出身の渡辺さんと堀部さんの共同経営。1号店を立ち上げる当初から、経営者である2人が共に店舗を持とうと計画していたようだ。今回の2号店は、ソムリエでもある堀部さんが店を仕切り、バロンドールの調理場で2番手を務めていたフレンチ出身のシェフとともに、両者の強みを活かし、ワインそして料理・パンに力を入れたフレンチワインビストロという業態に挑んだ。ワイン業態は昨今のトレンドだが、この湯島界隈にはまだ少ない。が、需要がないわけではないようだ。というのも、隣接する本郷エリアなどは高級住宅街でもあり、利用客はワインに慣れ親しんだグルメな客層が多いという。また、1号店では人形町という場所で営業していたこともあり、東京の東側、下町といえる面影が残る場所での出店が物件探しの条件でもあったという。
料理は手軽な価格でも丁寧な仕事で、季節ものや、その日ごとに仕込んだものを提供しようと、メニューブックはあえて設けず全て黒板で対応している。現在は名物を軸に35アイテムほどを用意し、メインディッシュ以外は1000円以下のリーズナブルな価格設定を心がけている。同店のスペシャリテは「アリゴ」(680円)という、潰したジャガイモにチーズやガーリックなどを合わせて作る、非常に滑らかなフランス中南部の郷土料理。ワインとの相性を考え抜いた粗挽きでパンチのある「自家製ソーセージ」(880円)は、オーダー必須。その他、取材日のメニューでは、「合鴨と苺のサラダ」(830円)、「柿と甘海老のカルパッチョ」(820円)、「10種野菜のテリーヌ」(650円)といった前菜類から「えぞ鹿の赤ワイン煮込み」(1580円)や「ハタのポワレ かぶのソース」(1580円)など、肉料理・魚料理も充実している。
ワインは、全て堀部さんが自身でテイスティングし納得できたものを、インポーターから直接仕入れている。店内の壁面に設置されたディスプレイ型のワインセラーに収まる分のみをストックしているが、リストも固定ではなく、都度ラインナップを入れ替えている。産地にこだわるというより、料理との相性や、バリエーションのバランスを考慮して選び、価格も2300円~4800円と比較的手頃なものを揃えたが「ブルゴーニュの美味しいものが飲みたい」など、グランヴァンへのリクエストも多いようで、今後はそうしたワインの仕入れも柔軟に検討していくという。もちろんグラスワインもあり、600円~900円くらいのものを日替わりで提供しているので、一人での利用もお薦めできる。
内装は以前から思い描いていた、木材をふんだんに使った温かみのあるデザインに仕上げた。やはりグローバルダイニング出身のオーナーということで、同店もデザイナー若林氏によるもの。入口からテラス風ハイチェアー席、次いでショーケースと働くスタッフの姿を眺められるカウンター席、そして奥には個室風のテーブル席を配した。壁面のセラーや、天井から吊るされたアンティーク風のランプ、店名などがあしらわれた絵画風のデザイン画などが飾られ、限られた空間を有効に使った個性的な印象を感じる内観だ。
若手男性陣によるパパン。ワインや料理への想いはもちろん、笑顔と活気、エネルギーにあふれるスタッフで、下町にこれまで無かった新たなワイン業態を出店し、新風を吹き込んでいるようだ。同店の今後、そして湯島エリアの飲食店がパパンを皮切りに変化していくかなど、あらゆる点において注目していきたい。
(小野 茜)
| 店名 | ワイン食堂 PAPIN(パパン) |
| 住所 | 東京都文京区湯島3-35-5 |
| アクセス | 地下鉄湯島駅すぐ |
| 電話 | 03-5812-4933 |
| 営業時間 | 平日 18:00~29:00、土曜 17:00~23:00 |
| 定休日 | 日・祝 |
| 坪数席数 | 10坪・27席 |
| 喫煙環境 | 4200円 |
| 運営会社 | 株式会社エンジョイライファー |
湯島駅から1分と歩かない好立地。細い路地にあるが、ひと際目立つ存在感が、通りすがりの人をも惹きつける
パパン自慢のフランス郷土料理「アリゴ」は必ずオーダーしたい一品
こちらも物の自家製ソーセージ。ボリューム感があり、食べごたえも充分でシェアできるサイズ
若手男性陣で営むパパン。左から黒瀬力也さん(23)、斉藤雄二シェフ(28)、オーナー堀部敏郎さん(32)、堂野前学さん(28)
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