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2005-05-12

「Qiz EBISU」の出現で恵比寿駅東側は商業化する
〜モリモトの先進性×夢・空間研究所黒沼氏の理想

3月15日、東京・恵比寿駅東口徒歩1分の駅前に、商業施設と賃貸マンションからなるコンプレックスビル「Qiz EBISU」(クイズ恵比寿)がオープンした。 地上10階の建物で、1〜3階は商業施設、4〜10階は83戸のマンション「レジデンス クイズ 恵比寿」(全室賃貸)となっている。 開発を行ったのは、総合デベロッパーの株式会社モリモト(本社:東京都渋谷区、代表:森本浩義)。都心・城南地区、神奈川県北部を中心に分譲マンションの企画・販売や、賃貸マンションの開発を手がけており、商業施設とマンションを融合した大型ビルの開発を行ったのは同施設がはじめて。 商業ゾーンのテーマは“食”や“癒やし”。10店舗のうち1,2階に飲食店が8店舗、1階にコンビニが1店舗、3階に女性専用ビューティー&リラクセーションサロン1店舗が占有するという構成。飲食店は今月2店舗がオープンすれば全てが出揃う。 恵比寿駅の目の前とは言え、周辺の活気はなく、飲食店も多いとは言えないエリア。 都心の一等地に誕生したランドマーク「Qiz EBISU」は、恵比寿駅東口の商業を活性化する起爆剤となりそうだ。

【「Qiz EBISU」の事業主でもあるモリモトの不動産投資事業部 プロジェクト推進チームに、開発に関する話を伺った。】

━ビルの建設期間について集配所跡地を入札で取得し、さらにオフィスビルを買い増し、約3年の歳月をかけてビルを建設しました。

━建物の構造について特徴としては柱が二重構造になっていること。手前には細い柱、奥に太い柱があり、両方で支えています。二重のフレームを組むことにより安定性を図り、さらに“建物全体の統一感”も生まれ、レジデンスと商業ゾーンが調和するデザインに仕上がっています。
“マンションの下層フロアに店舗が入ると、マンションの品格が落ちる”と言われる中、二重フレームによりマイナス面をカバーし、全体で捉えてもパワーのある建物になった。
共有部分はテラコッタのタイルやウッドデッキを使用しているので、柔らかい雰囲気をかもし出します。
また、コンクリート打ち放しのため、マンション色が強くならないよう、サイン計画は色彩で賑わい感を出し、アイッキャッチとして赤を使用することで、商業施設のアピールをしています。

━商業ゾーンのターゲットターゲットは大人の女性。年齢層はやや高めを想定し、女性を意識してテナントを集積しています。

━客単価の想定各テナントの売り上げについてはノータッチですが、賃料に見合った価格を設定しているようです。やや高めでしょうか。

━テナント募集について誤った情報が交差してトラブルにならないよう、情報は管理できる範囲内にとどめ、商業テナントのリーシングについては、株式会社モリモト、株式会社乃村工藝社、株式会社 夢・空間研究所の三社で行いました。
2003年の秋からヒアリング程度のミーティングを、2004年5月からモリモトと乃村工藝社間で週一回のディスカッションを開始。
乃村工藝社はリーシングを取りまとめる役割を担い、モリモトが構成を練る形で進めました。

━プロモーションについて商業店舗のオープンの足並みが揃わなかったので、全体でのイベントはできませんでした。商業施設としてのオープニングイベントは行いませんでしたが、3月に駅広告やサンプリングを中心にプロモーションを実施しました。

━「Qiz EBISU」のQizとはわかりやすく、「Qizって何だろう」という興味をそそる魅力があると感じました。インパクトがあり、ビジュアル重視で決めました。デザインは乃村工藝社です。

━恵比寿東口駅前に活気をもともと集配所とオフィスがあった場所。駅前なのに店が少なく、駅前の広場も閑散としていました。白金と恵比寿ガーデンプレイスからの動線が交差するエリアに位置します。これからの恵比寿の発展に影響力を及ぼす施設になるよう、モリモトと夢・空間研究所でコンセプトを考えました。
「Qiz EBISU」の建物前の通行量は増え、建物を意識して歩く方を見受けます。

━モリモトの隠れた実績今後、株式会社モリモトが開発する建物は、都心に住む生活者に欠かせない、物販・飲食店と住居をいかに融合していくかがテーマです。
本格的に店舗をリーシングしたのは、今回の「Qiz EBISU」が初めてですが、自社開発のマンション「ネクストフォルム西麻布」(東京・西麻布)のB1階、1階に「CLUB XROSS」、2階に「豚しゃぶしゃぶ紅月」が。「イプセ麻布十番」(東京・麻布十番)には、3月にオープンした高級健康レストラン「キヨズキッチン麻布十番本店」(キヨズキッチンが経営する新業態)が出店しています。

■Qiz EBISUの出店状況
1F 店名 インプレッセ カフェ アンド アクセサリー
運営会社 詩仙堂グループ
席数 34席
営業時間/休日 11:30-26:00 年中無休
テーマは「幸運を呼ぶクラスアップスペース」
全国展開するアクセサリーブランド「インプレッセ」がプロデュースした、ジュエリーと飲食が融合したカフェ&バー。昼はカフェ、夜はフード&バーとして利用可。アクセサリースペースの奥にはカウンター席、テーブル席、個室がありゆったりできる。

店名 水刺間(スラッカン)/コリアンダイニング
運営会社 (有)李家
席数 60席
営業時間/休日 17:00-25:00
韓国料理ではなく、在日韓国料理の繊細さを独自のプルコギと家庭料理で提供。
代官山で人気のコリアンダイニング「李南河(リナンハ)」の二号店。新業態はプルコギメインで、一号店よりカジュアルなプライスがうれしい。インテリアはモダンコリアン。

店名 首里天(スイテン)/沖縄料理ダイニング 5/15 OPEN
運営会社 (有)リアライズ
席数 100席
営業時間/休日 17:00-24:00 年中無休
首里城をモチーフに琉球的空間を演出。100種類以上の泡盛と沖縄の素材を使用した郷土料理や創作料理が楽しめる。本拠地沖縄では2店舗展開し、東京は初出店。

2F 店名 自然茶房(じねんさぼう)恵比寿店
運営会社 (株)叶家フードシステムズ
席数 60席
営業時間/休日 平日11:30-23:30 土日祝11:30-23:00 年中無休
テーマは「体を支える料理」
安全な穀物とダシを基本に、自然薯、取り立て野菜、豆腐、納豆などの体に優しい食材を追求。毎日食べても負担にならない「安心ごはん」を快適な環境で提供する。
そばと地酒の店「越後叶家」がプロデュース。

店名 喜代(きよ)鮨 5/12 OPEN
運営会社 日興フードサービス(株)
席数 48席
営業時間/休日 11:30-23:30 年中無休

デザイナー橋本夕紀夫氏
木目を活かした落ち着いたインテリアは、橋本夕紀夫氏がデザインを担当。昨年11月にオープンした新浦安店に続く二号店。恵比寿店はグレードを上げた新業態として、本格的で鮮度のよい寿司と和食を提供する。

■デザイナー橋本夕紀夫氏の空間コンセプトとは

商業ゾーンのコンセプトに合わせ、2階にありながら路地に入って界隈性を感じる路面店のような店をイメージし、一般的には窓側ぎりぎりまで席を設けるところを、今回は入り口からつながる路地を作りこんだ。
外と建物が断絶する関係ではなく、外と建物とが路地を通じて自然とつながり、外の延長線上に建物があるよう、立体的に道を持ち上げている。
少し京風を取り入れ、千本格子は色々なタイプの格子を組み合わせ、町屋や民家をパッチワークする感覚で作り、そこに人が出入りする・・・。すし屋なので日本のいい空間、環境を目指す。
「こんないい老舗があるなんて知らなかった」と不思議な気持ちにさせるよう、はなから使い込んだ“開業百年続いた店”がテーマ。
コミュニケーションが大切という思いから、カウンターはコの字型に。以前は炉辺焼きの店や居酒屋にこのようなスタイルが見られたが、最近では見られない。カウンター内のすし職人は主役になり、客は向かい側の客となんとなくコミュニケーションがとれ、まるで“寄り合い”のような空気を生む。

店名 京鼎樓(ジィンディンロウ)/小籠包カフェ
運営会社 (株)デリコ・インターナショナル
席数 71席
営業時間/休日 11:30-15:00 17:30-24:00
台湾台北市にある行列のできる小籠包の名店「ジィン ディン ロウ」が日本に初出店。
店内はモダンテイスト×レトロで演出。今回の出店のために設立された(株)デリコ・インターナショナルのグループ会社は台北市で飲食店を展開している。
メニューは本場台湾仕込み。オペレーションサポートやデザイン監修は、大西まゆみ氏(フード・スタイル・カンパニー代表)が担当。一気に日本で展開するのか!?

店名 カフェ・ド・クリエ恵比寿東口店
運営会社 (株)ポッカクリエイト
席数 89席
営業時間/休日 平日7:30-22:30 土日祝8:00-21:00 年中無休
テーマは「いっぱいのしあわせ」
落ち着いた色調の店内は、禁煙席と喫煙席が分かれているので、打ち合わせ場所としても使える。季節ごとの新メニューも豊富で、食材は安全・安心にこだわったメニューを展開。

店名 彩鶏(いろどり)
運営会社 (株)ファーストキャメルコンサルタント飲食事業部
席数 34席
営業時間/休日 17:00-28:00 年中無休
「健康な鶏はおいしい」をテーマに、安全・安心・新鮮を基本に高品質な料理を豊富にそろえる鶏料理専門店。炭火串焼きと焼酎で気軽にいっぱいできる。



【「Qiz EBISU」のコンセプター、空気をデザインする 夢・空間研究所 黒沼氏が語る】

■設計のポイント


夢・空間研究所
代表 黒沼清氏
黒沼 清 プロフィール
1952年8月7日生
1975年 早稲田大学建築学科卒業
1975〜83年 株式会社松田平田
1983〜85年 ARKINETO,ARCHITECTS,AssociatePartner(L.A.)
1985〜01年 株式会社松田平田
2001年〜 株式会社夢・空間研究所代表
一級建築士 No.119235

■業務経歴
IBM川崎コンピューターセンター、全日空情報システムセンター、日本ユニシス東京ペイ開発センター、フィリピン共和国日本大使館、秋田県立大学、横浜台町プロジェクト 等
しっかりした躯体を作るためには、スケルトンをしっかり作り、敷地内に合理的に設計する。二重フレーム(通路側の細い柱と店舗サイドの太い柱)にすることで安定性を図り、SRC(鉄骨鉄筋コンクリート)構造と同等の柱・梁のボリュームでRC(鉄筋コンクリート)造とすることが可能に。ローコストで耐久性がアップする。

建物を点で捉えるのではなく、点から線へ。さらには面で捉える
白金、広尾から恵比寿ガーデンプレイスまで、点が線になり街になっていく・・・。
本来デベロッパーとは“街開発”が使命。周辺環境も視野に入れた開発を目指した。

■オープンストリート型モール

商業施設の全面道路側は、1階から3階まで自由に行き来できる“ストリート”になっている。
ストリートが全面の歩道から立体的に上がっていくので、3階までフラっと上がっていける。だから3階のテナントも路面店感覚で利用できる。まさに“パブリックの通路”のような機能デザイン。
基本設計の段階で、コンクリート空間を明るくするアートや植栽から、レジデンスのサイン(表札)などの細かい部分に至るまで、環境デザインに関する提案は徹底的にする。
店舗は路面より内側に入っているので、看板などの装飾を派手にしても、二重構造の柱によりスクリーニングされるため、ビル環境の保持も計画通り。
しかも、この内側に入っている店舗と店舗前のパブリック通路の関係については、“昔の商店街”をイメージ。スタイリッシュなビルに、人と商売を結ぶ原点あり!

レジデンスについては、ワンルームから最上階のメゾネットタイプまで、さまざまなタイプの部屋を設計し、住む方のライフスタイルに合わせて部屋を選べるようになっている。

■商業施設のあり方に商店街の発想

コミュニティ型、ストリート型の商業施設には人が集まってくる。挨拶は「いらっしゃいませ」ではなく「こんにちは」・・・。商店街のようなコミュニケーションがないと商売は成り立たたなくなるのではないかと思う。
通常であれば、商業ゾーンを2層でとどめるところを3層までとしたのは、「Qiz EBUSU」の雰囲気が外部になんとなく見えることで、コミュニティ型の商業施設への発展を期待しているからです。

Qiz EBISU
所在地 所在地:東京都渋谷区恵比寿4-3-1
お問い合わせ 株式会社モリモト 不動産投資事業部 前田/倉又
電話番号 03-5724-1361

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