UP FRONT
2005-07-28
2005年下期、中目黒飲食マーケットはどう動く?
2005年下期、中目黒飲食マーケットはどう動く?
「通り」と「エリア」でひも解く中目黒・最新飲食店事情
飲食マーケットを考える際、中目黒は常に“注目の街”としてリストアップされ続けてきた。2005年上期は、東京ジンギスカンブームの震源地となったことで、名実ともに“注目すべき街ナンバーワン”の座を射止めた感がある。その中目黒の現在とこれからを追った。
中目黒駅前の再開発はまず、上目黒2丁目の再開発が終わり、駅前にGTタワーが建った。これから山手通りをはさんだ向かい側、上目黒一丁目の開発が始まるわけだが、ここにはGTタワー以上の商業ビルができる予定だ。(目黒区街づくり推進部 中目黒地区整備課 http://www.city.meguro.tokyo.jp/tikuseibi/nakame/index.htm)。年を経るごとにその姿を変えていく中目黒は今後、どのような進化を見せるのだろうか。注目のトピックごとに見ていきたい。 ■トピック1:“東山通り”が美食通りとして定着 山手通りを池尻方面へ徒歩3、4分。左手にある「BAR SAWA」を目印に左に入ったところに注目の通りがある。山手通りと並行に走る裏通り沿いには、有名フレンチ店「コム・ダビチュード」をはじめ、てっちゃん鍋や豚鍋で人気の「元旦」、そば屋「東山織田」、イタリアン「Osteria Agostini(オステリア アゴスティーニ)」など、きらりと光る名店がひしめく。さらに最近では白馬から東京に進出した焼肉店「深山」、じわじわと噂が出始めている「パリアッチョ」など、飲食店の話題は事欠かない。 通りの一番奥にあると言えるイタリアン「TRATTORI TARTUCA(トラットリア タルトゥーカ)」やうどんカフェ「豊前房」などは中目黒駅からは徒歩10分以上の場所にも関わらず、人気は一向に衰えない。ユニークなのは大人客を満足させる実力店が多いこと。この通りは、特に呼び名がないが、あえて「東山通り」などと名付けたくなるほど、潜在能力が高い。今後も「東山通り」が注目のエリアであることは間違いない。
■トピック2:中目黒発の飲食店が増加?
話題のジンギスカン店「くろひつじ」も7月22日に下北沢に二号店がオープンした。株式会社WDIと、「くろひつじ」1号店をオープンさせた株式会社モーターレーベルによって設立された合弁会社、株式会社くろひつじが行う多店舗展開の一号店とも言えるだろう。また、和菓子店「HIGASHIYA」も今年5月に西麻布に「ori HIGASHIYA」をオープンさせている。中目黒マーケットで育ち、ブランド化された業態が他のエリアに巣立つ傾向は今後も続くと考えられる。 ■トピック3:目黒川沿いの飲食ストリート 山手通りと駒沢通りの交差点すぐ。目黒川沿いに新しくできた飲食店通りがいま注目を浴びている。4店の異なる業態の店舗が目黒川沿いに続々とオープンしたのだ。まず、通りに入ってすぐの店が横浜から出店してきたワインコインバー「Munchya(ムンチャ)」。隣は、「ヌフカフェ」「ニドカフェ」などの系列店でブラッスリーカフェとブーランジェリー、パティスリーの3業態が一つになった「Huit(ユイット)」。3軒目は下高井戸の古書店が移転してオープンさせたBook&Cafe「combine(コンバイン)」、そして一番奥が極楽とんぼの加藤浩次がオーナーのジンギスカン店「ふじや」である。4店舗の間には、まだあと二店舗分の物件が開いているが、そのうちの一つには鹿児島料理店が出店することが決まっているという。 中目黒駅から歩けば、徒歩5分ではたどり着けない場所だけに、まだまだ認知度は低く、中目黒駅前で販促チラシをまく店舗もあるようだ。ただ、目黒川の向かい側には中目黒ジンギスカンの先駆け店、「まえだや」やワインバーがあり、独特の個性で客を惹きつけている。この通りのブランド化もこれからと言えるだろう。
■トピック4:立ち飲み店も好調 目黒銀座通りの入り口付近にあるTSUTAYAの裏手には、中目黒の有名ピザ店「SAVOY(サヴォイ)」がある。連日ちょっとした列を作る人気店だが、この「SAVOY(サヴォイ」」のある小さな通りが今、賑わいを見せている。北海道の海の幸を揃える立ち飲み屋「根室食堂」が昨年末にオープンし、日ごとに立ち飲み客を増やしているのだ。駅から徒歩2,3分の場所でもたどり着くのが一苦労なマイナーな通りには、その他にも以前、祐天寺よりの物件で営業していたスペイン料理店「BAR VELANO」、ハイボールをウリにした昭和テイストのバー「ラッキーハウス」が昨年末にオープンしており、古くからある居酒屋や日本料理店と混じり合って独特の進化を見せている。 中目黒にはこの「根室食堂」以外にも立ち飲み店がオープンしている。株式会社ラヴが恵比寿、お台場に次いで東横線の高架下に出店した「あぶりどり バリ鳥」、38年続いた元てんぷら屋物件にオープンしたスタンディングバー「三吉バー」がそれだ。恵比寿とまではいかないものの、昨年末ごろから立ち飲みカルチャーが着実に根付き始めていると言える。
■トピック5:老舗エリアが活性化? 上目黒1丁目再開発によって閉店したのは「オーガニックカフェ」だけではない。老舗もつ焼き屋「ばん」(祐天寺に移転)、老舗スーパー「ウオツネ」も同様に中目黒から姿を消した。しかし、「ウオツネ」は7月5日に居酒屋「ウオツネ」として「庵GuRi」の隣に戻ってきた。このエリアには目黒川沿いの居酒屋「大樽」、多くのクリエーターや飲食店関係者が通う居酒屋「藤八」など、中目黒らしい老舗店が多い。上目黒1丁目再開発工事は平成20年に完成する予定だが、目黒川沿いには老舗的居酒屋が昔の名残を着実に残しそうである。
■注目ポイント1:目黒銀座通り奥は個性揃い 中目黒で最もにぎやかな通りといえば、目黒銀座通りである。注目すべき点はその奥だ。祐天寺方向にしばらく歩くと庶民的な商店街という雰囲気から、若者向けのファッションショップやCDショップなどが目立つ、雑然とした雰囲気に変わる。つまり、駅から遠いエリアは安く物件が借りられるため、様々なチャレンジが可能なエリアになっているようだ。飲食店も個性の強い業態が多く、最近ではコンフォートメキシカン「JunKAdelic(ジャンカデリック)」がオープンしている。中目黒とは言え、少し離れれば安価な物件で挑戦できる可能性はまだまだありそうだ。
■注目ポイント2:山手通りが拡張し、新築ビルには飲食店 山手通りの拡張工事の影響で、山手通り沿いには新しいビルが続々と建てられている。そのビルの中には「さかなにくごはん やまや」、創作料理店「キノエトラ」といった飲食店がオープンしている。今後も新築ビルに飲食店ができる気配は十分感じられる。 ■中目黒飲食マーケットのこれから
これまで見てきた中目黒の飲食店の特徴を大まかにまとめると、“こじんまりとしていながらセンスと個性を主張する店”が多い言えそうだ。 話題の「くろひつじ」や「ふじや」、前述の「東山通り」にしても、決して人通りの多い、目立つ場所に店があるわけではない。感度の高い客層がセンスと個性を持ち合わせた店を口コミで知り、足を運ぶ。情報は自然と他のエリアに拡がり、他のエリアからその店目的に客が足を運ぶ。そうしてブランド化された店が生き残っていく街、それが中目黒なのではないだろうか。 これからの中目黒がいきつく先。それは「こじんまりとしていながら、センスと個性を主張する店」がますます増加していく傾向にあると言えるのではないだろうか。 |


























藤八
クリエーターが集う藤八
大樽
うおつね
新しく個性的な店もでき始めている



