UP FRONT
2005-08-25
IDEE黒崎輝男氏と中村悌二氏がデザイン、
IDEE黒崎輝男氏と中村悌二氏がデザイン、
レストランの学びの場、「スクーリング・パッド」を開校!
9月15日、IDEE会長の黒崎輝男氏と飲食店プロデューサーの中村悌二氏は、起業・独立・転職のための専門スクール「スクーリング・パッド」を世田谷ものづくり学校内に開校させる。「スクーリング」という新しい学びの概念を打ち出す同校から、果たしてどのような価値が生み出されていくのか。その可能性、そして飲食ビジネスの行方について、お二人にお聞きした。
■「世田谷ものづくり学校」とは
■「スクーリング・パッド」
■「schooling(スクーリング)」
「スクーリング・パッド」では、デザイン、レストラン、映画の3つの学部がおありなのですね。 黒崎氏: デザイン学部で講師をしていただこうとお願いしている方の一人に、カフェ「sign」やホテル「クラスカ」で知られるトランジットの中村貞裕さんがいます。アパレル業界を経てカフェをオープンさせた後、ホテルまで企画するなど、多彩な価値を生み出している方です。彼以外にも、デザイン学部ではCMディレクターなども講師として来ていただく予定です。いま、時代はレストランならレストラン、デザインならデザインというふうに一つの分野だけに精通しているだけではだめで、デザイン、レストラン、映画のような様々な要素を複合的にとらえるべき時代が来ていると言えるでしょう。だからこそ、デザインやものづくりをテーマにした「世田谷ものづくり学校」内に開く学校ではあっても、ただデザインだけではなく、レストランや映画といった講座も設けているのです。どの学部でも様々な業界の様々な講師の方々とセッションする場が生まれる予定です。講師と生徒を交えたセッションの時間では、臨場感やリアリティを大切にしていきたいと考えています。 編集部: 既存の「学校」よりも、より実践的な学びの場となりそうですね。 黒崎氏: デザイン学部では、無印良品やJT、世田谷区などから実際に課題をいただき、その課題に対して実際に生徒がプレゼンテーションするといったカリキュラムも予定しています。そのプレゼンテーションが実際に仕事になる可能性があるわけです。「スクーリング・パッド」は、ただ学ぶだけではなく、最終的な出口まで見つけられる場にしたいと考えています。 編集部: では、中村さんに主にレストランビジネスデザイン部についてお話をお聞きしたいと思います。まずは「スクーリング・パッド」ができたきっかけを教えていただけますか。 中村氏: 飲食の仕事をしていると、多くの方に「店をまとめられるマネージャー、いない?」と尋ねられるんです。新しい店のオープンの際、店の準備は整っている、料理人もサービススタッフも揃った、だけど店の日々の運営をまかせられるマネージャーがいないというケースは、実は少なくないんです。ですから、マネージャー、つまり経営の分かる人材を育てられる場があったらいいなと常々、考えていました。そんな時、黒崎さんから「学校をやらないか?」とお話をいただいたんです。また、私自身IIDにオフィスを構えていて、この建物の持つパワーが好きでしたし、新しい学校ができ、IIDをさらに盛り上げるキラーコンテンツになればいいなと考えたのです。 編集部: レストランビジネスデザイン学部は、マネージャーを育てる場になるのでしょうか。 中村氏: 私もそうですが、飲食店の経営者といっても飲食のプロじゃない方は大変多く、まったく別の業界からの参入される方も少なくありません。しかし、料理ができる、サービスができるという能力とマネージメントの能力はそもそも別なのです。「レストランビジネスデザイン学部」は3ヶ月間で24のカリキュラムを組んでいます。3ヶ月で飲食店マネージメントのすべてを学べるとは考えていませんが、飲食店経営で失敗する確率を下げることは可能だと考えています。特に飲食店の現場で働いている人の中には「自分の店を出すことが夢」という人が多い。出店=成功と位置づけてしまっているのでしょうがこれは間違いですよね。飲食店なんて売り上げが上がらない月が何ヶ月も続けば、すぐ資金が底をついてつぶれてしまうものですから。つまり、店を出すことじゃなくて、店を成功させることを目標に掲げないと意味がないんですよ。そのための実践的なカリキュラムを組んでいこうと考えています。 編集部: 現在まで、どのような方から申し込みがあるのでしょうか。 中村氏: 当初はいわゆる飲食店の現場で仕事をしている方たちが多いだろうと想定していたのですが、インテリアデザイナーや食材メーカー、デベロッパーなどといった、フードビジネスの周辺で仕事をされている方々も多いですね。予想外に様々な業界の方々にお申し込みいただいている状況です。 編集部: 実際の講義の内容をお教えいただけますか。 中村氏: 主に3つのステップを考えています。まずは、レストランオーナー、料理人やパティシエ、プロデューサー、店舗デザイナーなど飲食業界の第一線で活躍している方々とのセッションの場、「興奮のるつぼ」。物件探しや資金調達、事業計画、業態開発、店舗デザインなど、飲食業界で仕事をしていく上で必要でも、誰も教えてくれなかった専門知識を体系的に学ぶ「知恵の実」。実際に自分の意見や考えを積極的に発言する場を設けたり、グループや個人単位で「自分のやりたい店」を考え、それをプレゼンする「晴れ舞台」という構成です。私が重要だと考えているのはセッションです。世の中、自分のやりたいことを伝えることばかりが仕事だと感じています。例えば、イメージしている空間デザインを設計・施工業者さんに伝えるのもそうでしょう。講師の方々とのセッションの中で、自分の思いを伝えることを多くの人に体験してもらいたいですね。私もすべてのカリキュラムに出席しますが、自分の役割はセッションの空気を作ることだと考えています。 編集部: 講師陣には、そうそうたる方々が名前を連ねていますね。 中村氏: ほとんどの方々とは以前から面識があったのですが、一風堂の河原さんとは面識がありませんでした。福岡に行き、直接お願いしたところ、面白そうだと快く引き受けていただきました。講師にお招きした方々は、みなさん独自の価値観、オリジナリティーを持って、売る仕組みを作り、実際にリアルなビジネスとして落とし込んでいる方たちばかりです。例えば、天然酵母パン店「ルセット」の田中明子さんなどは、まさにその典型ですね。最高級の天然酵母パンをネットのみで販売するなんて、だれも考えなかった仕組みですから。 編集部: つまり、オリジナルな価値を創造できる人材を育てるということでしょうか。 中村氏: これまで約40件の飲食店のプロデュースに携わってきましたが、最近、特に感じるのは、オリジナリティーを追求した業態ではなく、あくまでビジネスとして最も収益性の高い業態を求める方が増えている傾向にあるということです。確かに、立地やマーケットに合ったトレンド業態店をオープンさせ、たった一年で投資を回収してしまうことも現実的に可能な時代になりつつあると思います。つまり、飲食業界が利益を生むおいしいビジネスとして成立する時代に移行しつつあるのだと思います。そのため、以前より流行を意識した業態の飲食店が増加している傾向があるようです。しかし、単に利益を生む仕組みを作って他店舗展開し、最終的に上場を目指す、ということだけが、飲食業の醍醐味ではありませんからね。そろそろ圧倒的なオリジナリティーを持った次世代のスターが出てきて、飲食業界に新しい風を巻き起こして欲しいと考えていますよ。「スクーリング・パッド」の中からそんなスターが出てくることを期待しています。
|
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://www.food-stadium.com/column/5/trackback.html







