UP FRONT

2006-03-14

「アキバ系」飲食タウン最後の大型施設
「AKIBA_ICHI」の歩き方

秋葉原は今や世界に名を知らしめる電気街・アニメ街であり、さらにはつくばエクスプレスの開業、超大型電気店のオープンといま最も活気のある「消費の街」。そこに最後の大型レストラン街「AKIBA_ICHI(アキバ・イチ)」が3月9日、オープンした。その時代的意味を読み解く。


「秋葉原UDX」の開発概要


「AKIBA_ICHI(アキバ・イチ)」の入る秋葉原UDXは、東京都による秋葉原駅前有地の売り払いコンペに当選したNTT都市開発と鹿島建設が都の「秋葉原まちづくりガイドライン」に沿う形で開発・建設したもので、今後5年間は「ITセンター」としての事業義務を負っている。昨年3月オープンした産学連携施設「秋葉原ダイビル」と合わせた新たなIT拠点(名称「秋葉原クロスフィールド」)としての側面が強い。
「AKIBA_ICHI」のある商業エリア(1〜3階)とオフィスエリア(5〜22階)は専用エントランスと直通エスカレータで完全に分離されており、オフィスエリアには6,000〜6,500人が働くことになる。「AKIBA_ICHI」には当然“集客機能”が求められているわけだが、あくまで「AKIBA-ICHI」がターゲットとしているのは外部からよりも内部、つまり秋葉原UDXのオフィスで働く6,000人超のランチ需要であり、また夜は隣接するダイビルに入居している日立の社員や学校関係者をも含めた「接待」などのビジネスユースであるようだ。まとまった人数で入れる「おとなの店」が少ない秋葉原にあって利用価値が高まりそうだ。

街場の「アキバ系」スタイルとは一線を画す


肥大化し続ける秋葉原の動力源は「アキバ系」と呼ばれる人々であり、「外国人観光客」であるのは間違いない。街場に増殖している「メイドカフェ」だけがメディアで大きく紹介され、いかにも「アキバの今」を象徴しているようだが、「AKIBA_ICHI」は言うまでもなくそれとは一線を画す。あえて時代の波に逆行するかのごとく、かつてこの地にあった「東京神田青果市場」からその名「AKIBA_ICHI」をとったことに、開発側の意図が表れている。地元の古くからの商店主や近隣の住民たちをこれ以上いたずらに圧迫することなく、共に進歩・発展する「新しい都市空間」の構築こそが「秋葉原UDX」の目指すものであり、「AKIBA_ICHI」はその象徴となることが期待されているのだ。

「AKIBA_ICHI」のここに注目!


では「AKIBA_ICHI」の内部を見ていこう。
1階はタリーズコーヒー、際コーポレーションのチャイナカフェ新業態の「上海バール」、クマガイコーポレーションのピッツェリア「chiocchiol@pizzeria(チオッチョラピッツェリア)」。外部環境を生かしたカフェコンプレックスで電気街とのアクセスもよい。
2階はメニューを絞り込んだ“専門特化型飲食店”を集め、ランチ需要から帰宅前の軽い一杯にまで応える。プロントのイタリアンバールの新業態、「とんかつ和幸」の新業態(かつ丼・とんかつ)、味噌汁にこだわった定食屋「味噌汁屋」、豆・芋・玄米にこだわったお粥の専門店「Bean’z Heaven」(新業態)、築地仲買商でもあるサイプレスの「源」が海鮮定食・居酒屋の新業態で出店している。

下町、名老舗がズラリ!

もっとも「AKIBA-ICHI」らしさの現れた出店となっ

ているのが3階である。
和の名店、下町の老舗のこだわりの味が楽しめるフロアーだ。築地市場の仲卸による魚料理「つきじ越一」、湯島の親子丼「鳥つね」、新宿の串揚げ「新宿立吉」は初出店。
「駒形どぜう」はあえてどじょう料理ではなく蕎麦で、浅草「鮒忠」はうなぎ専門店でそれぞれ新業態。上野の聚楽はその前身である洋食「須田町食堂」を再現している。大阪曾根崎のお好み焼き「ゆかり」は東京初進出。

平河町の料亭「瓢(ひさご)」、銀座の高級フカヒレ専門店「鹿鳴春」、銀座のおでん「おぐ羅」はランチで間口をさげ、夜の接待ユースにつなげることをにらんだ出店だろう。JRの駅弁でおなじみの日本レストランエンタプライズは、昼は得意の弁当で、夜ははやりの「カップ酒」を提供、カウンターで気軽に楽しめる新業態だ。「新宿すずや」では人気の元祖とんかつ茶漬けだけでなく、「黒豚しゃぶしゃぶ」などの豚肉料理が手頃な価格で味わえる。

「東京フードシアター 5+1」にも熱い視線


(株)新産業文化創出研究所(略称・ICIC)は、「秋葉原UDX」4階に、日本の次世代を担う新たな産業・文化を創出する基盤施設として「先端ナレッジフィールド」を開設する。厨房機器のネットワーク等IT関連技術の標準化と、レシピのデジタルコンテンツ化を試みるIT化実証実験レストラン。世界初のオール電化のデジタルキッチン、健康管理や食育などと関連した、新たな食のあり方を提案するデジタルダイニングやドクターズキッチンなど、「食」の新産業・文化創出を目指す200席の実験型レストラン。3月下旬オープン予定。

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