UP FRONT

2005-04-07

レストランははたしてリゾート施設に勝利できるか!?
2強リゾートレストランが提案する「新たなリラクゼーション」とは
〜料理と空間で癒す「カユマニス」コミュニケーションで癒す「カシータ」

非日常的な空間でお酒と食事が楽しめる“リゾートレストラン”。毎日が慌しく、ストレスを感じやすい現代社会において、“リゾートレストラン”の空間やサービスはリラクゼーションのニーズに対応する、まさにうってつけの業態であることは間違いない。しかし今、“リゾートレストラン”が私たちに訴えかけているものとはいったい何か。銀座にオープンしたばかりの新店「カユマニス」と、六本木から青山に移転した老舗的存在「カシータ」の魅力に迫る。

■料理だけでなく、サービススタイルも融合を目指す

非日常的な空間でお酒と食事が楽しめる“リゾートレストラン”。
毎日が慌しく、ストレスを感じやすい現代社会において、“リゾートレストラン”の空間やサービスはリラクゼーションのニーズに対応する、まさにうってつけの業態であることは間違いない。しかし今、“リゾートレストラン”が私たちに訴えかけているものとはいったい何か。銀座にオープンしたばかりの新店「カユマニス」と、六本木から青山に移転した老舗的存在「カシータ」の魅力に迫る。

イタリアンレストラン「リストランテ イルピノーロ」やジェラート「マリオジェラテリア」など、現在50店舗を手掛けるスティルフーズ(代表取締役 鈴木成和氏)は、先月29日、東京・銀座にフレンチアジアンダイニング「カユマニス」をオープンした。197坪ある店内は、フレンチダイニング&バー、アジアンダイニングで構成されており、特にバーの一角に設けられた、天がい付きの半個室のソファ席は、アジアの情緒をかもし出す。
「前業態の雰囲気を残しつつ約7000万円で改装し、料理については、イギリス人シェフのトレバーによるモダンフレンチを提供し、アジアンダイニングの料理に関しては、ROTI(六本木)のシェフイアンに相談しながら話を進めました。質、サービスのニーズが合致したので、モックさんと手を組み、婚礼需要による土日の集客を狙っています」と話すのは、代表の鈴木氏。

もともと物件は、ソーホーズ・ホスピタリティ・グループが経営していたアジアンレストランであった。店舗デザインを担当したエイジ代表の佐藤一郎氏は、デザインコンセプトについてこう話す。「バリっぽさを前面に出すとカジュアル過ぎてしまうので、バリに住む欧米人の価値や好むテイストを表現し、モダンなバリ風を表現しました」

約3年、社内体制を整え、出店の見極めをしていた鈴木氏が攻めの体制に入った。
ロンドンやパリの3つ星レストランでシェフ経験を誇るスーパーシェフのトレバー・ブライス氏を迎え入れ、トップデザイナーを起用して空間を創り、ブライダル戦略を打ち出し、心機一転で初の大型店舗に挑む。

異なる3業態を展開することで、運営上の難しさはないのだろか。フレンチダイニングとカジュアルなアジアンダイニングは、ジャズの生演奏を共有できるほど、近い距離感でつながっている。
総支配人の稲塚晃裕(いなづか あきひろ)氏は、サービスについてこう話している。
「私自身、パークハイアットホテル東京で、ホテルサービスを経験してきましたが、一流のお客様をもてなす技能があり、お客様との間に一線を引くホテルのサービスと、パーソナリティー溢れるフレンドリーな街場のサービスにはギャップがあります。私たちはその両方のよさを取り入れ、ゲストに楽しんで頂く事を一番に考えたパーソナルなサービスの実現を目指しています」
元「銀座イルピノーロ」の支配人を務めていた稲塚氏は、銀座という立地、そしてカユマニスの場合は、しっかりしたサービスを望む客層が多いと想定している。
さらに、複合業態からなるため、利用するスペースによりお客様のタイプや求めるサービスの質も異なるため、そのバランス感覚もポイントか。
代表の鈴木氏もホテル出身者である。鈴木氏が目指すサービスのスタイルとは、“ホテルのサービス”と“街場のサービス”の融合のようだ。

店名 カユマニス
所在地 中央区銀座2-3-6 銀座並木通りビル6階
電話番号 03-5159-7200



■青山移転で、カシータのサービスが進化した

一方、“リゾートレストラン”というジャンルを発信し、六本木の地で名をとどろかせた「カシータ」(オーナー高橋 滋氏)が、今年2月、六本木から青山へ移転した。「はたして、六本木店の活気は取り戻せているのだろうか・・・」という心配をよそに、移転して2ヶ月経った今、連日満席の様子。客層は、カップルや外国人、接待のワーカーに、地方から勉強を兼ねて食事に来る方までと幅広い。

先日、何とか予約が取れたので食事に出向き、まず、デッキラウンジでシャンパンをオーダーしたのだが、その提供方法に驚き、メインダイニングの席について驚き、デザートを見て驚く・・・。とにかく、サービスによるサプライズの連続である。「ハレの日に喜ばれる」と聞くが、印象に残るサービスに思わずナットクしてしまう。

「飲食業という視点ではなく、“サービス業のレストラン”としてのホスピタリティを追求する目的で、このレストランをスタートさせました。飲食業の経費計上の枠にはとらわれないので、サービスの仕込みによる経費や人件費がかかり、いい意味でムダが多いんです(笑)。でも、満席という状況から、間接的には利益を生んでいます」と話すのは、料飲部門 コンサルティング部門総責任者の雨宮龍氏。

雨宮氏
青山店では、“コンシェルジュデスク”と“グリルラウンジ”の施設が追加された。
“コンシェルジュデスク”とは、サービススタッフが吸い上げた顧客情報を活用し、さらにプラスとなる顧客サービスが提案できないか・・・ということを主に考えるセクションで、専門スタッフが就く。“グリルラウンジ”は、客の要望によりフレキシブルに調理できる、ミニキッチン(グリルバー)付きのダイニングスペースである。

「ホスピタリティマネジメントの必要性を、接客を通して肌で感じる」と話す雨宮氏は、カシータの実績や客の要望をかてに、半年前からコンサルティング事業を立ち上げ、現在、高橋氏と共にコンサルティングやセミナーでの講演(不定期)を行っている。業種は飲食業だけでなく、携帯電話の販売代理店や旅館、美容院等と多岐にわたり、ホスピタリティがどのビジネスでも共通することを物語る。また、新たな部門を立ち上げることで、スタッフのモチベーションをアップする狙いもあるようだ。

雨宮氏にとってリゾートレストランとは何か。「海外ではリゾートレストランのクラスが高ければ高いほどサービスはアナログになり、お客様とのコミュニケーションを大切にしています。リゾートレストランとは、単に空間や開放感の提供だけではなく、レストラン・飲食業の枠を超えたサービス業だとも思います」。

ちょっと照れくさくなってしまうほどのカシータ流のコミュニケーションサービスだが、そのサービスが心地良いと共感するリピータに愛され、さらに新たな施設の導入でプラスのサービスを行うカシータ。
癒され方は人それぞれ。リゾートレストランが私たちに投げかける個性が今、おもしろい。

店名 カシータ青山店
所在地 渋谷区神宮前5-51-8 ラポルト青山3階
電話番号 0120-917-044

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