INTERVIEW

2007-07-25

【特集/トレンドを読む!】野菜ソムリエで元外食コンサルの女性経営者が健康と美をプロデュース、株式会社チキンスープカンパニー取締役社長石崎弘美氏

黄色に輝く“ケナリ”の花のように誰からも愛され親しみある存在の飲食店を目指し銀座に誕生した「けなりぃ」今年2月にオープンしたばかりの同店が、なぜここまで女性たちの心を掴めるのか? それは女性である石崎氏の感性が反映された飲食店作りにある・・その秘密を徹底解剖、彼女の素顔と魅力に迫った。(山本なほ)

「お待たせしていてごめんなさい。」颯爽と現れた美女が、株式会社チキンスープカンパニー取締役社長の石崎弘美氏である。
深々とお辞儀をし「本日はありがとうございます。」と丁寧に挨拶をする非常に低姿勢な方だと感じた第一印象だった。華奢な外見からは想像もつかないほど、今飲食業界でパワフルに活躍している女性の一人。頼もしい姉御的存在感と、時折はにかんで見せる少女のような一面を持ち合わせる彼女の不思議なオーラに著者はいつのまにか包まれてしまった。
いわゆるハンサムな女性(ヒト)という表現がよく似合う女性である。
 
■プロフィール■
株式会社チキンスープカンパニー 取締役社長 石崎 弘美
野菜ソムリエ
 
料理雑誌でレシピ大賞をとったのがきっかけでフードコーディネーターとしてデビュー。雑誌、TVでのフードコーディネート、執筆や飲食店のメニュー開発などで活躍。その後外食コンサルティング会社に入社し飲食店のスペシャリストとして経験を積み、10年間で約300店舗のコンサルティングをおこなう。フリーコンサルタントとして独立後まもなく、銀座にヘルシーな韓国串焼と鉄板台所「けなりぃ」を2007年2月にオープン。野菜ソムリエが考案する健康と美をテーマとしたメニュー構成がうけ、今銀座OLに絶大な支持を得ている人気店として注目を集めている。
 
食へのきっかけ〜学生時代〜フードコーディネーターとしての道幼い頃からスポーツ万能の活発で好奇心旺盛だった石崎氏。食への好奇心も強く、雑誌で気になった料理を切り抜いては集めスクラップを作っていた少女時代。
そんな彼女の母親は料理が苦手で、学生時代から自分で弁当を作るようになる。
このとこが食を作り楽しむという初めのきっかけとなった。
「味気ないお弁当を好きな子に見られるのが恥ずかしくて隠して食べていたんです。あるときそれも面倒になって、じゃあ作ればいいんだと。自分で納得のいく可愛いお弁当を弟の分も合わせて2つ、毎日作っていました。」
そんな料理好きの彼女が20代前半の時、某料理雑誌のコンテストに何気なく応募したレシピで大賞を受賞する。これが転機となりフードコーディネーターとして仕事の依頼がくるようになった。雑誌、TV、飲食店のメニュー開発などを手がけまさに順調そのものな毎日。しかし数年後「このままでいいのか。」という不安に突如かられ、向上心が強く、現状に甘んじることない彼女が次にたどり着いたのは外食のコンサルタントとしての道だった。
 
なぜ外食コンサルティングなのか?
営業先の外食コンサルティングの社長との出逢いの中で、ある言葉を教えられたのである。
「外食産業を語るなら3割は都会、7割は郊外。郊外知らずして外食産業は語れない。」この言葉は当時の石崎氏の胸にずしりと響いた。
”食の世界を分かっている気でいた今の自分は、実は中途半端だった。このまま終わってしまうのではないか”という不安と衝撃を受ける。ならば、モノを生み出す外食産業の仕組みを理解してみよう、コンサルタントとして経験を積むことは人生において決してマイナスにはならないはずだと確信する。すぐに「勉強させてください。」と志願しに行き、結果コンサルタントとしての第一歩を踏み出すこととなったのである。
ここから10年間外食コンサルティング会社で勤務し、気付けば約300店舗もの飲食店を立ち上げる飲食店のスペシャリストに成長していった。当時の彼女の行動力と好奇心が今の「けなりぃ」を生み出す原点になったと言っても過言ではないだろう。
壁〜新たな方向性〜そして確信
コンサルタントとして経験を積んでも男性社会での信頼を得るには相当な努力が必要だ。
まして若い女性が父親ほど歳の離れた経営者たちと対等に仕事をするのだから、精神的プレッシャーは計り知れない。いくら男勝りに仕事をしても、女だからという理由でうまく関係作りができない状況は、彼女の持ち前の根性を持ってしても無駄だった。やがて女性であることにハンディキャップを強く感じるようになり “男になりたい” “男に負けてたまるものか”と本気で思うようになっていく。初めて味わう辛く厳しい壁だった。
そんな時、ある経営者の言葉がまた彼女を救うことになる。
「女性向けの店を作りたいけど、自分の会社は男性ばかりで困っている。石崎さんの女性としての立場を生かしていい店を作ってほしい。」
青天の霹靂とはこのことだ。
“自分が女性であるからこそ作れるお店がある。”
“女性だからやれる仕事があるのだ。”
またしても人の言葉をきっかけに、彼女は転機を迎えるのである。
自分が信じる道を進めばいい、新たな方向性を見つけることができた瞬間だった。そして女性が喜んでくれる店・自分が行きたいと思える店作りを続けて行くという石崎ロードが確立されたのである。
 
けなりぃが愛される理由
こうした経験の積み重ねで、女性向け飲食店を知り尽くした石崎氏が経営する「けなりぃ」が愛される理由はまず女性の視点に立った店であるということだ。手軽にヘルシーという女性好みのメニューも豊富に揃っている。
銀座でリーズナブルな価格のランチ、ディナーが楽しめ、女性同士で気軽に行ける店というコンセプトで、ランチは平日1,000円・土日祝は1,500円、飯物か麺類を選ぶメインプレートに数十種の野菜料理をブッフェスタイルでいただける。セルフ生春巻きなんてユニークなサービスもある。
ディナーは目にも楽しく個性的なメニューが並ぶ。「スフレジョン」という口の中でふわりと溶けるチヂミは一番人気。これからの季節にぴったりの「桃の冷麺」は梨ジュースを加えていただくという発想で興味を惹きつける。旬の野菜を使用するメニューは季節ごとに一新するというこだわりも見逃せない。季節の変わり目に足を運べば、異なるメニューで四季の旬を楽しめるというわけだ。
ドリンクも、女性が好きな梅酒を豊富に揃え、飲みやすさを重視したマッコリを使ったカクテル・フレッシュ野菜や果物を搾って作る話題のミクソロジーカクテルなど異色な顔ぶれで、新しいもの好きの女心をぐっと掴んでいる。
 
 
←ほうれん草半束を使用した
「コエンザイムQ10ポパイ」
ヨーグルト風味で青臭さは全くない。
 
 
欲張りな女性のココロを考えた串焼き&鉄板
 また「けなりぃ」の肉料理は全て串焼きスタイルである。通常焼肉など食べに行くと肉だけでお腹一杯になりがちだが、それではもったいない。というのが石崎氏の持論。
「串焼きだと食べやすいし、日本は焼き鳥文化で馴染みのあるスタイル。沢山の種類を少しずつ食べられるからお得でしょう。」と石崎氏。
つい料理に手をつけずにおしゃべりに夢中になってしまう女性同士は多いが、それを解消するのが各テーブルに用意された保温鉄板だ。時間が経ってもアツアツを召し上がっていただきたいという心遣いが嬉しい。
こういうちょっとしたサービスに敏感なのが女性なのである。
オモニ(母親)の台所をイメージして、各テーブルから調理の様子が覗けるように厨房を店の真ん中に位置する工夫も。ジュージューと焼かれる素材の音、シズル感を体感できる贅沢さがさらに女性の大好きな特別感を生み出すのだ。
 けなりぃが目指す今後。そして感動できる場所へ

 

秋からはサムゲタンをはじめとする韓国薬膳料理にも挑戦し、今以上に健康と美を追求したメニューが登場する。また「けなりぃ農場」とする契約農家で収穫した野菜を使用し、よりハイレベルの商品を提供していくようだ。
「けなりぃ」が今もこれからも目指すのは「感動できる料理」を届けること。
ただ美味しいだけではお客様の記憶には残らない。美味しい+五感で感動できる味を提供し続けていくことが、石崎氏の理想の飲食店であり、最も大切にしていきたいもてなしの心なのであろう。
「今まで沢山の経営者の方たちに私は支えられ、教えられてここまできました。そして目の前にあるものをこなし続けてきただけ。「けなりぃ」はまだまだ通過点、勉強しながら今後も前進するのみです。」
確かな実績と経験を持ちながらも驕らない謙虚な人柄が、周りの人を惹きつけ、今の成功を導いたに違いない。
年内には新宿に2店舗目の出店を予定し、新生けなりぃの誕生にも期待が集まる。
女性の感性が光る繊細で計算しつくされた
”女性による女性のための飲食店”
この感動体験の場所を今後も世の中に発信してくれるであろう。 
【店舗データ】
店名;けなりぃ
住所;東京都中央区銀座5−11−13 ニュー東京ビルB1F
電話;03−6226−0630
ラ ン チ;11:30〜15:00(LO 14:30)
ディナー;17:30〜04:00(LO 03:00)
席数;81席
  
〜著者プロフィール〜
ライター&コーディネーター 
         山本なほ
 
食べて健康、キレイになれるをモットーにする健康オタク。
薬膳フードコーディネーターとして日々勉強中
 調理師 中医国際薬膳師  野菜ソムリエ
 
  

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