INTERVIEW
名証セントレックス上場を果たした株式会社ゼットン社長・稲本 健一氏のその真意に迫る!
11月23日掲載の「編集長のつぶやき」でも述べたように、「なぜいま公開だったのか?」その質問をぶつけるべく稲本氏にインタビューをお願いした。Tシャツとジーンズという出で立ちで颯爽と現れた“イナケン”こと稲本 健一氏。快く取材に応じ、ありのままの胸中を語ってくれた。
◆プロフィール
株式会社ゼットン 代表取締役 稲本 健一(いなもと けんいち)
1967年愛知県生まれ。名古屋芸術短期大学卒業後、東京の商社に就職するも半年後に退職。名古屋に戻りデザイン事務所に転職。当時、学生時代からのバーテンダーのアルバイトも続けていた。’93年6月に開業した期間限定のビアガーデンがブレイク。その後、ある居酒屋のリノベーションプロジェクト参加を契機にデザイン事務所を退職、本格的に飲食ビジネスの世界に入る。’95年10月、(株)ゼットンを設立し、翌11月にレストランバー「zetton」を名古屋市中区に開業。その後様々な業態の飲食店を名古屋、東京を中心に展開、現在26店舗を運営する。名古屋の「ランの館」「徳川園」「中部国際空港」「テレビ塔」、東京の「三井記念美術館」など、公共施設をレストランビジネスで活性化させる「パブリックイノベーション&リノベーション」事業にも注力。2006年10月19日、名古屋証券取引所セントレックス市場に上場を果たす。公共施設へ出店する理由
「名古屋“ランの館”2Fに当初あった喫茶店を経営していた友人に、コンペへの参加を勧められたのがきっかけでした。そしたら見事企画書が通りましてね、それが『オーキッドルーム』です。それまでジャージやリュックといった格好でこの施設を利用していたお客さんが、次からはおめかしして来てくれました」
MoMA(モマ)やルーブル美術館のカフェなどのように、飲食店のノウハウを公共施設にもっと活かすべきだという。
また、団塊世代が定年退職を迎える2007年問題を踏まえて氏はこのようにいう。
「日本の飲食業界には圧倒的に若い人たちが多い。でもうちには50代から上は62歳までの優秀なスタッフがいます。公共施設を受け皿にして、ミドル世代も働きやすい環境づくりを目指したいです。こうした民間の活力もまた公共事業に注いでいきたいですね」
なぜ今?なぜ名古屋?
2003年より施行された「指定管理者制度」で、民間事業者も公共施設の管理が行えるようになった。案件の数も増え、氏の元には月に5、6件来るという。だが公共はあくまで前例主義、厳しい審査基準をすべてクリアしなければならない。またコンペには上場していることが重要条件になるのだと氏は言う。
また、氏はこうも語る。
「10年前のレストラン市場と今とでは大きく変わりました。飲酒運転の取締り強化で、地方は駅前立地でないとやっていけない、ところが名古屋駅前の物件は家賃坪5万円というのが現状です。BSE、鳥インフルエンザ、ノロウイルスなど厳しい環境下にある昨今、ソフト面の弱点も含めIPOに向かうことで組織を強化できます」
なぜ名古屋なのか?の質問に、
「名証セントレックスへ上場したのは周りの企業からの薦めもありましたが、東京にいても見えない地方が抱える問題を知る意味でも名古屋で足元を固めたいと思ったからです」と答えた。
商業施設出店にも意欲的
同社が横浜の商業施設「横浜ベイクォーター」に出店しているハワイアン・カフェ&レストラン「アロハテーブル」は一日売上約70万円という、施設内でほぼ一人勝ちの盛況ぶりだ。突き詰めすぎない“くずしハワイ”が幅広い年齢層に受けているのだろう。
来春オープンする「東京ミッドタウン」内に新規出店を予定しているカフェ&レストラン「Orange(オランジェ)」では、朝は美味いオレンジジュース、昼はミモザ、夜はシャンパンとカジュアルフレンチを提供する。朝7時〜翌朝5時まで営業し、住む人、働く人が混在するこのエリアで多彩なライフスタイルに対応する。
上場を果たした今
「株主構成は非常に良いです。株価云々の前に今は武装しなければならないと思っています。」
公共事業において、名古屋テレビ塔は年間売上約6億円、徳川園は年間約8億円という公共施設としては異例の業績を上げ、その意義と手応えを感じているという氏は最後に力強くこう述べた。
「折衝という大変な作業がありますが劣化しにくい事業です。現在公共事業売上47%を今後7割まで伸ばしたいと思っています。株価が上がるようどんどん頑張っていきます。見ていてください」
ウルトラマンを倒した唯一の怪獣、ゼットンの復活に期待したい。






