INTERVIEW

2006-10-11

大手ゼネコン、ベンチャー企業、証券会社を経て飲食業界へ。低コストで数々の繁盛店を生み出すケーズカラナリープランニング代表取締役 越野 健太郎氏。

匠Dining「真鴨堂」、「軍鶏郭」、「馳走小路」をはじめ、赤坂に先月オープンした鉄板焼“MADOy(マドイ)”など、都内に8店舗のダイニングバーを展開するKCP(株式会社ケーズカラナリープランニング)の代表と、東証二部上場のちゃんこ料理チェーン“株式会社江戸沢”の社長を兼務する越野氏。堅実な人柄の、その内に秘める静かな野望に接した。

大学を卒業後、大手ゼネコン、ネットベンチャー、証券会社を経て、2002年ケーズカラナリープランニングを設立。株式会社ウイル・インターナショナルが経営する「鶏味座」から“のれん分け”を受ける形で飲食業に参入する。

 

飲食業界に転身したきっかけ

「証券会社にいた20代後半、独立起業したいと模索していました。当時担当していたこともあり、ITコンサルタント会社を始めようかと考えた時期もありました」
それ以前に勤めていたネットベンチャー企業時代、一般の消費者に提供する面白さ、純粋にお客を掴む喜びを知ったという越野氏は、一般消費者向けの事業以外思いつかなかったという。
「証券会社時代、連日夜遅くまで残業していたので、食事はバーで済ませることが多かったんです。バーの雰囲気が好きだから通っていましたが、料理が旨くない。せっかく作ってくれたマスターには申し訳ないけど(笑)。それなら旨い料理を出すバーを作ってみようか、というのがきっかけですね」
“ダイニングバー”にこだわる理由はそこにあった。
当時好きで通っていたという神宮前「鶏味座」に“のれん分け”を申し入れた。その一号店は現在の「軍鶏郭」の原型となる。

 

開店2年以内に黒字転換させる優良店舗の舞台裏

全店舗に見られる、天然木と照明を巧みに用いた、風情ある通好みの設え。驚くことに、これらは全て“居抜き物件”なのだという。
「1号店“軍鶏郭”を神楽坂にオープンした2003年の不動産市況は、夜逃げ同然の空き家も少なくありませんでした。家賃だけで開店できたのが幸運でしたね」
“軍鶏郭”(席数70)は1,000万円に満たない破格の資金で開店に漕ぎつけた。「求めている“1.5等地”は町の不動産屋にあるんですよ」と、その後の店舗もご自身で探して回られた越野氏は、サラリーマンから出発したという意識を常に忘れなかったと言う。
「“箱”が決まれば逆算して単価と売上目標を割り出す。メニューは3ヶ月に一度見直しますが、売れ筋メニューは値上げしません」。客単価6千円以上のお客は賢い、ニーズを見極めることが肝心なのだと語る。全店舗とも独立採算型を取っており、“優良個店オーナーの集合体”と言える。


「その分中身に投資します」

“匠コンセプト”を掲げる同社は、網で捕獲した鹿児島の真鴨、沖縄の島豚あぐぅ、約120日間飼育する比内地鶏など、“小規模生産者=匠”が手塩にかけた厳選素材を惜しげもなく提供。匠の銘酒も豊富に取り揃え、料理とのマッチングを追及している。
また、3店舗目からは自身でインテリアデザインを手掛け、カウンターには100万円は下らない無垢の一枚板を使用、BGMの選曲にまでこだわる越野氏の店には、なぜか証券業界の人たちが多く訪れるのだという。

 

 

越野氏は、2005年2月、東証二部上場のちゃんこチェーン“株式会社江戸沢”の代表取締役社長にも就任。KCPは、同社が経営する「EDO-Style Diningでん」や「鍋職人 でんと」などの店舗プロデュースも担当する。

多忙を極める越野氏だが、今年3月に設立した新会社でも敏腕を振るう

その新会社とは「東京レストランファンド」。日本発のインターネットによる一般募集型のレストランファンドである。
一口50万円という小資本でレストランのオーナーになれるこのシステムを採用しているのが、今年9月オープンした鉄板焼「MADOy(マドイ)」赤坂店。オーナー専用シート、つけ払い、毎年投資額の1%〜10%の優待券を用意するなど、さまざまな“オーナーシップメント”を提供する。
あくまで、利回り追求型ではなく参加応援型。食事も利回りの一部と考え、更なる満足度を提供するのが目的。
現在、神楽坂「軍鶏郭」の2号店の出店にあたり、一口5万円で募集を開始している。
「レストラン業界は、まだまだ水商売というイメージは拭えない。個人投資家の新たな投資先として証明すると同時に、経済発展が滞っている今だからこそ業界の活性化に努めたい」と真摯に語る越野氏から、今後もますます目が離せない。

 

◆プロフィール

代表取締役 越野 健太郎(こしの けんたろう)


1969年生まれ 早稲田大学商学部卒業後、清水建設、IIJ(インターネット イニシアティブ)、マネックス証券を経て、2002年ケーズカラナリープランニングを設立。匠Dining「真鴨堂」、「軍鶏郭」、「馳走小路」や鉄板焼「MADOy(マドイ)」など都内8店舗の経営と店舗開発におけるコンサルティングを行う。2005年2月には東証二部上場の外食企業“株式会社江戸沢”の代表取締役社長にも就任。今年3月に「東京レストランファンド」も設立。現在3社の代表を務める。

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://www.food-stadium.com/column/52/trackback.html

トラックバック一覧(4)

INTERVIEW一覧

飲食店PRスタッフ急募!

いろんな業態の飲食店を
メディアにPRする仕事です。

http://www.food-stadium.com

出店・業態開発の相談は

物件探しのお手伝いから
開業、販促プロデュースまで

www.cachette.co.jp