UP FRONT

2008-09-11

【話題人インタビュー】9月13日、「(畑)ハレノヒ」3号店がゲートシティ大崎にオープン!スターバックス出身の敏腕経営者と広告業界のアートディレクターによる「サードG」世代、話題のユニットを直撃!

ノス プロダクター株式会社(東京都港区赤坂、代表取締役・社長 小野坂直之氏、副社長 黒石和宏氏)は9月13日、今年6月8日表参道、8月8日中目黒にオープンした新業態「(畑)ハレノヒ」を三井不動産のリーシングにより、9月13日東京「ゲートシティ大崎」に出店する。広告業界でカメラマンとして活躍し、現在ではノス プロダクター株式会社の社長としてクリエイティブ部門を担当するアートディレクターの小野坂直之氏(32)、そして、副社長の黒石和宏氏(40)は、スターバックスコーヒー ジャパン株式会社の第1号店にアルバイトとして入社し、約12年間勤務。その後、約100店舗を担当するエリアマネージャーを経て、今年3月退社するまでは、先5年間の構造改革部長として、運営のトップまで登りつめた人物。そして、「サードG」世代の経営者代表として、話題のユニットにお話を伺った。

−まず、お2人の出会いからお伺いしたいのですが。
小野坂(写真左):僕が広告代理店でカメラマンをしていたときに、共通の知人の紹介で(黒石氏と)知り合いました。当時は僕にとってアニキ的な存在で、「飲みに行くぞ!」って連れて行ってもらう、飲み友達でした。

黒石(写真右):僕の大学時代の同級生が、彼(小野坂氏)と仕事していたので、それでよく会うようになったのがきっかけで、親しくなりました。当時、彼は独立しようとしているところで、僕もそのうち会社を辞めようと思っていました。

小野坂:広告制作をメインにした会社を立ち上げようとしていました。

黒石:僕は当時、スターバックス に勤めていましたが、中目黒「らんまん」のお客さんで、その味に惚れ込んで、料理長の高野昌宏氏(37)と新しい飲食を展開しようという話をしていたところ。(独立を考えていた時期が重なったので、一緒にやろうということになり)飲食部門が僕で、クリエイティブ部門が彼。それを合わせてノス プロダクター株式会社を設立したというわけです。

小野坂:会社の(事業としての)柱はその2つで、僕は今でもアートディレクターとして、広告制作の仕事をしています。

黒石:クリエイティブと飲食は別々の会社の方が良いという人も多いですが、これは一緒にやっていくことに意味がある。飲食のキーは、エンタテインメントであるというところ。店舗のテイストに、クリエイティブな部分がないとただの飯屋じゃないですか。だから、クリエイティブである彼のテイストを生かしていけるというのが、いいところ。僕はスターバックスに、1号店のバイトとして入社したので、社長にはいろいろかわいがってもらっていますが、彼に相談したら「一緒にやるのは当たり前だよ」と言ってくれました。スターバックスは、サザビーがやっていますから、もともとクリエイティブな集団。だから、僕にはそういう感覚があって、常に彼とは一緒にやっていきたいなと思っています。

小野坂:飲食もクリエイティブもゴールは一緒。飲食はお客さんと直で接して、笑顔を頂いたり、また来るよっていう言葉を頂いたりするのが大事ですが、広告はマスに訴えるもの。だから、広告を見た人がどう思ってくれるかっていうのが見えない。Webだとアクセス数が上がるとかわかりますが、それが飲食ではお客さんの笑顔でわかる。それがうれしい。お客さんの喜んでもらうものを作っているというのは同じで、広告は自己満足に陥りがちですけど(苦笑)。

黒石:だから、お互いに切磋琢磨しているし。飲食は飲食で自己満足の世界に入ってしまうこともありますし。

−絶妙なチェック&バランスですね。
黒石:そうですね。それは働いていると思いますね。

−現状として「らんまん」との関係は?
黒石:営業はうちがしていて、出資は別。営業権だけ持っていて、ロイヤリティ収入という形を取っています。関連店舗という感じですね。

−そもそも、「(汁)ハレノヒ」でビューティ鍋を始めたきっかけは?
黒石:「らんまん」のシメに出てくる鶏うどんというメニューがあって、この鶏うどんがコラーゲンたっぷりで今のビューティ鍋の原型です。その味を広めたいと思ったのがきっかけですね。

小野坂:コラーゲン鍋が出来たのは、本当に奇跡でした。実は高野がズンドウの火を消し忘れて帰ってしまって、偶然にその煮こごりが出来た。それで電話があったんです「奇跡のだしが出来ました」って(笑)。

黒石:(火事になったかもしれないことを考えると)危ないけど、神が降臨したというか(笑)。鶏うどんのだしを弱火で炊いていくと、煮こごりになる。そのプルプルをコラーゲン鍋に入れるっていうのが発祥です。

小野坂:これがなければ、鶏うどん専門店でした(笑)。

―当時、モツ鍋が流行していましたが、コラーゲンということで、モツ鍋屋をやろうと思いましたか?
黒石:それはないですね。人の憩いの場を作りたいという気持ちがあったので、鍋屋というのは悪くない。みんなで鍋を囲んでいる姿っていいじゃないですか? そもそも、ビューティ鍋をやるにあたって、女性客だけで鍋に行くイメージがなかった。男性同士や男性と女性のグループ、カップルはあるけど、女性同士で鍋に行く姿というのはあまりない。その中で女性のお客様に喜んでもらえるような価格帯にし、ネーミングにもこだわりました。そして、勇気がいったのですが、ビューティ鍋というメニュー名のコラーゲン豊富な鍋を出そうということに。それで出来たのが「(汁)ハレノヒ」。今でもお客様の9割が女性です。

−内装も女性を意識していますか?
黒石:単にお金がなかっただけです。今でもお金がない(笑)。僕は飲食は投資回収率だと思っています。だから、初期投資を抑えないと、回収できない。初期投資を抑えるには、知恵が入りますし、センスも当然いる。ただ単に安っぽいものではなくて、雰囲気、空間を作るのには、お金だけではないなと思っています。安ければいいかってものではないですし、そこでお金かけて終わりってわけでもない。特に1号店は自分たちで色を塗ったりしました。

−チープだけど、かっこいいってありますよね?
黒石:社内的にもチープクールがコンセプトです。

小野坂:中目黒だから許されるとういうのは、多々ありますね。表参道でチープクールをすると、アウトですね。

−客層が違いますか?
黒石:同じお客様でも、中目黒と表参道に行く時では、気分が違いますよね。そこに合わせるためにもというところもあります。

−マーケティングの発想ですね。
黒石:僕は基本的にはお客様志向ですから。お客様がどういう動向で、何を求めて、そこに何をすれば、バリューを感じてもらえるのか。簡単にいえば、お客さんが最後にキャッシュを払ったときに、安いと感じたら勝ちだと思っています。逆にそれが高いと思われたら負け。それはひとつの商材だけではなくて、空間も、サービスも含めて。そのすべてが揃ったときに、バリューがついて、安いと思う。そことの戦いをするという発想です。

−CPですね。
黒石:値段だけで勝負するよりも、それが大事。僕は、サービス業は人が重要だと思います。人がそのサービスを行うことによって、誇りを感じられるようになって欲しい。誇りを感じてもらうのに、一番大事なポイントはお客様にお褒めの言葉を頂くこと。そこで自分達の存在価値が見出せるじゃないですか。そういう風になって欲しいなというのがあって、そこにフォーカスするためにカッコイイものであったり、そのイメージとかは作っていきたいなと思っているんですよ。

小野坂:言葉はどんだけお茶らけていても、おいしいものを提供する。そこがないと、ただお茶らけているだけになってしまう。

―ハレノヒというネーミングはどこから名付けましたか?
黒石:「らんまん」にも通じますが、口に出して明るい、春のイメージを作っていきたいなと思っていて、ハレの日の舞台のハレ。カタカナにしたのは、うちのアートディレクターのこだわりです(笑)。

−(汁)というのは?
小野坂:完全に遊びです。肉料理なら(肉)、カフェなら(茶)とか、どんどん新しい業態と展開していきたいと思っています。

−最初から新業態を意識していたんですか?
黒石:店名がハレノヒだけじゃ面白くないじゃないですか。もうワンパンチ欲しいなというのと、そうはいっても、ハレノヒという名前を広めたいなという思いから付けました。だから、(汁)とか(畑)など、ハレノヒの前を変えていくのが広がりやすいかなと思ったからです。

−1号店はどれぐらいの規模ですか?
黒石:20坪の36席。月売り上げは約650万円です。

−2号店を西麻布に出店したのは?
黒石:六本木通りに面していて、車で通った時に「あれ、なんや?」と思うようなネーミングであると思うし。名前を売りたいという気持ちが強かった。ブランディングの店です。実は西麻布店だけは、ビルのオーナーとの共同経営。オーナー側からうちの店をやりたいというオファーがあって、うちも出資しながら、フィフティーフィフティーで経営しています。そして、今年6月8日。表参道に新業態(畑)ハレノヒをオープンしました。

−(畑)はカッコいいですね。
小野坂:(菜)とか(農)も候補に上がっていました。

黒石:「最初は(菜)やるで」と周囲に言っておきながら、落とし所は(畑)(笑)。こちらのメイン料理はムシケン。簡単に言うと蒸した野菜の料理。決して新しいものではないですが、それをメインに持ってきた店は、基本的にはないと思います。

−そもそもなんで蒸し野菜になのですか?
黒石:純粋に野菜好きで、僕が食べたかった。たまたまNYで働いている女の子たちと雑談している中で「野菜を蒸すのがおいしい」と聞き、それを高野に話したら「ありまっせ。やってみましょう」ということになりました。また、煮るという((汁)ハレノヒの)鍋があり、蒸す、焼く…という基本の調理法で新業態を展開していくことも考えているので。

−商品開発をここまでやってしまうのは、他にはないですね。
黒石:うちはパフォーマンスというか、エンタテインメントといってはなんですけど、常にそういう気持ちは持ってもらいたい。あとはお客さん同士の会話のネタを提供したいと思っています。

−野菜がメインということで、産地表示はしていますか?
黒石:その日に入った野菜とその産地を黒板に提示して、選んでもらっています。しかし、もう産地表示は面白くないなと思っています。本当に美味しい野菜だったら、効能で知ってもらった方が良いかなと。ビタミンCたっぷりだから、日焼けにいいとか効能を知ってもらいたい。まだ企画段階ですけど、これもまた会話のネタになるじゃないですか。

−将来は自社ファームを考えたりしていますか?
黒石:可能性としてはありますが、僕は「餅は餅屋」だと思います。僕らド素人が農業やるのは、逆によくないかなと思っています。だったら、作ってもらえる仲間を作って、一緒にやっていきたい。自分たちが全部やるというよりは仲間を増やしていきたい。それには僕たちがエンドユーザーのプロになっていかなくてはいけないなと思っています。

−キャラクターも作ったんですか?
黒石:あれはファミリーですね。ハレノヒでファミリーが出来るんです。

小野坂:(畑)ハレノヒ 中目黒店にいるのは、ヤンジジ(写真中央)。(汁)ハレノヒ 中目黒店はやヤンボウ、西麻布店はヤンチャン、(畑)ハレノヒ 表参道店はヤンババ、大崎店はヤンママ。大崎店のオープンに際して、畑の前で集合写真を撮りました(笑)。

−大崎店はどのような店舗になる予定ですか? 
黒石:三井不動産からの依頼で出店することにしました。今までのお客様のターゲットはイノベーターやトレンドセッター。芸能人が来店し、ブログを書いてくれて、それが広まる…今度の大崎はそういうこともなく、一般の人たち。だからこそ、また来てくださいねというようなオペレーションの勝負。そこで勝てれば、強いブランドになると思うし、強い飲食になってくると思います。ゲートシティ大崎で働いている人たちだけでも、1万3000人。これからは近くにソニーも進出することもあり、大崎はこれから東京で数少ない元気な街になると思います。そこで商売出来るというのは、うれしい限りです。オフィス街ということで、特にランチが重視される。今は(畑)で出しているコラーゲンつけ麺、ムシケンカレエ(蒸して健康カレーの意味)のほか、品揃えを増やす予定です。(ディナーに関しては)基本的な内容は変えずに、これを一般客に受け入れられるように、ブラッシュアップしていくつもりです。

−商業施設は初めてですか?
黒石:そうですね。連発しますよ。実は東神開発からオファーがありまして、年内に二子玉川「柳小路」に「(汁)ハレノヒ」をオープンします。すると、(汁)3店舗、(畑)3店舗ですね。

−来年はどういう展開をされますか)
黒石:来年はまだわからないですが、とりあえずこれで形を作って、イメージでは3〜5店舗ぐらいは作りたい。もしかしたら、来年の春ぐらいにまた別の業態を始めるかもしれません。(茶)なのか、(カレー)なのか。最終的には5業態はやりたいと思っています。

−これからも東京に出店されますか?
黒石:東京で3〜5店舗やって、その先はわからないですね。関西、九州、北海道にも興味があります。札幌はいいですね。野菜おいしいですし。

−1業態につき何店舗ぐらい出店しますか?
黒石:それは店に寄りますね。今回の業態開発は、ファストフード系がいいかなと思っています。スターバックスほどじゃないですけど、人によって差別化が出来るという方が、面白いと思っています。だけど、ファストフードで働く人の教育って難しい。というのも、そこに哲学を持たせるのは難しいからです。やはり、そこに働いて誇りを持つためのものを作り、そこで闘っていきたい。僕は飲食自体が下に見られているのが嫌で、飲食自体に働いている人たちに誇りを持って欲しいと思っています。実際には下に見られているのではなくて、働いている人自身が下に見ているからだと思う。飲食業というのはエンタテインメントなので、誇りを持っていい商売だと思っています。世の中の人の機微を感じながらやる商売ですから、こんなに楽しくて、こんなに大変なことはない。僕はスターバックス1号店のバイトとして入社して、その後、約100店舗を統括するエリアマネージャーになり、最後の2年間は、向こう5年間の構造改革部長になりました。だから、スターバックスコーヒーの最後のEは、僕が作ったぐらいに思っています。それを今のスターバックスの従業員にも、思って欲しい。誇りを持つというのは、そこだと思います。出来ている、出来ていないは別にして。そんなに簡単に出来ないし、そんなに簡単に出来ることではないけれども、そこを僕らは持ち続けたいなと思っています。

店名;(畑)ハレノヒ ゲートシティ大崎店
住所;東京都品川区大崎1-11-1 ゲートシティ大崎 B1F
電話;03-3779-9770
営業時間(LO);ランチ11;00〜15:00(LO14:30)、ディナー平日17:00〜22:30(LO22:00)、土日祝17:00〜22:00(LO21:30)
定休日;なし(ゲートシティの休館日による)
席数;62席

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://www.food-stadium.com/column/84/trackback.html

UP FRONT一覧

編集・ライター急募!

フードスタジアムの編集・
取材ライター業務です。

http://www.food-stadium.com

出店・業態開発の相談は

物件探しのお手伝いから
開業、販促プロデュースまで

www.cachette.co.jp