UP FRONT
2005-06-09
“カジュアル・リゾート・レストラン”ブーム到来か!?
“カジュアル・リゾート・レストラン”ブーム到来か!?
増え続ける東京ハワイアン&沖縄ダイニングに注目
〜東京で南国気分を味わえるバーチャル空間
南国の代表ハワイをテーマにした“ハワイアンレストラン”とブームを超えて新たなレストランジャンルとして確立した“沖縄料理ダイニング”がいま、女性を中心に関心を集めている。郷土色の強い沖縄料理やリアルなハワイアンだけではなく、最近の傾向として東京発のオリジナリティのある店が増えつつある。 南国テーマのカジュアルレストランが打ち出すもの、そしてお客のニーズとはいったい何か。それを探っていくと意外な共通点があった。
【恵比寿の人気ハワイアン ダイニングカフェ「Tsunami恵比寿店」】
フラダンスやハワイアン音楽などスローな空気を感じるハワイ文化に人気が高まっているが、殊に恵比寿にはハワイをテーマにした飲食店や雑貨屋、アパレルショップが点在し小さなハワイ村となっている。 中でもハワイアンレストランとして人気なのが、01年8月にオープンした「Tsunami(ツナミ)恵比寿店」。テラス席のある開放感あふれるカジュアルな店構えが魅力で、恵比寿のハワイアンダイニングのメッカといえよう。 経営する(株)アドリブの代表取締役 山岸まさる氏に話を伺った。
━現地の店の再現!?日本人のグルメ志向を意識してオリジナル料理を提供しています。サービスについては、カジュアルな店でありながらきめ細かなサービスを目指しています。 ━具体的にTsunamiのサービスマインドとはお客様が何を求めているかを徹底的に五感で感じ、自分が受けていて気持ちいいと感じるサービスをお客様にも提供します。たとえばお客様が手を上げる前にスタッフがそれに気づかないと、せっかくのリゾート気分や、癒されたいと思う気持ちを壊してしまいます。そのようなことがないように、来るお客様は浅めに腰をかけてだらっとしたいんですよ。その気持ちを大切にしてあげたい。そのためにも五感を磨くように伝えております。 満席のときはスタッフの緊張感は最高潮に高まっていますが、OPENまもない早い時間帯に、数席しか席が埋まっていないときに来ていただいているお客様に、いかに緊張感を持ってサービスをできるのかが鍵だと思います。 テーブル席のほか“王様のシート”と名づけたロフト席や、ロフトのさらに上に設けた隠れ家的シートがあります。早く来たお客様には、座りたいと思うシートを人数にかかわらずご自由に選んでいただき“早く来てよかった”と思っていただく。席の予約は受付けていますが、いつも来ていただくお得意様だけを優遇してしまうと初めて来ていただいたお客様が疎外感を感じてしまいがちですから、その差別感をなくす意味でも席を自由に選択していただきたいですね。 ━「Tsunami恵比寿店」のランチ、ディナーの平均客単価パワーランチ(ドリンク付)は1,200円で、2回転しています。 ディナーはポギとアボガドのタルタル、ロコモコがお奨めです。客単価は3,000円前後です。 ━スタッフに伝えていること4年後に上場を目指していますが、ビジネスマインドをスタッフと一緒に築いていくのが前提なので、急速な店舗展開はしません。 飲食業に携わるほとんどの人は独立願望の塊で、『成功してお金持ちになり、幸せになりたい』と願っております。独立で成功している人は氷山の一角にすぎません。 会社組織で協力しあえれば休みも取れますし、金銭的にも、時間的にもリスクを分散できます。日本だけではなく、時には海外にも目を向け、なぜ貧しい国の人々なのに心豊かな生活を送れて幸せそうにしているのか?などを見ることも重要だと思います。スタッフが心豊かな生活ができ、心のよりどころが会社であり上司であり、その前に家族である。そんな会社なら辞めたくはならないですよね。 終身雇用が消えつつある日本で、私達はビジネスマインドを共営できるスタッフは家族『ohana』でありずっといっしょでいたいですよね。もっともっとお金より大切なものを探してほしいです。 ━ターゲットはどんな方が来ていただいてもウェルカムです。お店のつくりやサービスは、0歳の赤ちゃんから、お年寄りまでオールマイティに対応しております。ですから、テーブルチャージやお通しのような野暮な設定はありません。 たとえば、お子様連れのテーブルの隣で、カップルがデートをしていて、彼氏が隣のお子様に微笑みかける。そんな感じのお店づくりでいたいですね。 強いて言えば心の中にアロハシャツを着ている方がターゲットです。 だからわたくし達も、テーブルチャージやお通しのような野暮なものは一切いただきません。 ━「Tsunami駒沢店」の特徴は05年8月にオープンした「Tsunami駒沢店」は、“ロコ(原住民)の住む家”が店舗コンセプト。駒沢公園がある場所柄、お子様連れの主婦が多いのが特徴です。小学生以下のお客様はドリンクは無料で、飽きないよう真っ先にお出しすることで、小さなお客様にも安心して来ていただける店であることを示しています。 ━会社の方向性会社のコンセプトは常に夏を味わっていたいという思いから「エンドレスサマー」です。 「夏」をテーマにした新業態を考えています。メジャーでもなく、マイナーでもない店を目指します。福利厚生に力を入れられる会社でありたい(笑)。
<SHOP DATE> Tsunami 恵比寿店
Tsunami Royal Place
【ハワイアンダイニングと沖縄ダイニングをダブルで経営】 LOCO'S TABLE「MAHANA(マハナ)」と琉球ダイニング「かのん」の2業態を展開するのが、(株)シーエーフードサービス(代表 田代 章氏)http://www.cafs.jp/。癒しや楽園を提供するノウハウを持つ(株)シーエーフードサービスの戦略とは。 ■ウェディングを取り込む「MAHANA」
料理はアレンジしたオリジナルで、店内は癒しをテーマにゆったりとしたくつろげる雰囲気。ハワイアンミュージックがかかっており心地よい。 「ハワイブームを感じるといえば、ハワイのグッズやアパレルを扱う店が増えてきていることや、ハワイに関連したイベント告知のリーフレットを置かせて欲しいという依頼が増えていることです。恵比寿店のお客様は20代後半の女性やカップルが多いですね。」((株)シーエーフードサービス エグゼクティブマネージャー 瀬山 剛史氏) 店側のイベントも積極的で、フラダンスのショーやウクレレのショーを定期的に行っている。 この店の特徴はウェディングに対応するため、今後は積極的にウェディングと二次会を取り込んでいく姿勢だ。 「生バンドをコーディネートし、参列者も一緒に歌っていただく・・・。そんなリラックスしたウェディングを実現させたいと思います。」(瀬山 剛史氏) 7月には銀座一丁目に、3号店のオープンが決まっているというから、その好調ぶりがうかがえる。 <SHOP DATE> MAHANA 恵比寿店
■沖縄ダイニングを牽引する「かのん」
「かのん 恵比寿店」店長の江藤智昭氏は、WEBサイト「Okinawan Juicy(オキナワン・ジューシー)」http://okinawan-juicy/com/で、「かのん恵比寿店」の情報を紹介している。東京で沖縄料理と沖縄の雰囲気が味わえる店として、よりリアルに情報を発信したいという熱意からである。 その内容というのが、ベスト&ワーストメニュー、席番号、イベントの告知、スタッフ紹介、頻繁に変わるメニュー情報などだ。 「お客様は規定にとらわれない内容に興味を示すと思い、自社のHPとは別に情報を発信する場が欲しいと思い立ち上げました。お客様は席を指定して予約されることがありますが、こちらとしてもスムーズに案内でき、双方のメリットにつながります。」(店長 江藤智昭氏) 東京で沖縄を感じられるがコンセプトの「かのん」は、スタイルは東京風、味は沖縄にこだわっている。泡盛の種類の豊富さをアピールするとお酒の飲めないお客様や女性にけんえんされがちなので、恵比寿という場所柄OLや女性を意識し、泡盛のカクテルやお茶を充実させたり、沖縄のスイーツフェアを開催するなど工夫している。いままさに、さまざまなことに挑戦してブランドを育てている最中のようだ。 沖縄料理ダイニング増えている中、江藤智昭店長は「他のお店には食べに行っていません(笑)。どちらかというと、沖縄の食材や市場、物販などの情報収集に興味があります。これからの季節はドラゴンフルーツが出荷されますよ。」と独自のスタンスで店を盛り上げる。 「MAHANA 浜松町店」でも店長経験のある江藤智昭店長は、沖縄ダイニングとハワイアンダイニングのお客について、共通点をこう話してくれた。 「旅行に行く前の“疑似体験”です。ハワイや沖縄の旅行パンフレットを持っている方を見受けます。入り口のシーサーを見て沖縄に行きたくなったり、ハワイの音楽を聞いて“コレだよね”って感じる。お客様は食事以外のものを求めて来ています。」 <SHOP DATE> かのん 恵比寿店
【東京スタイルの新沖縄ダイニング】 ■言葉で表現しがたい“ゆるさ”を表現
同社代表の羽中田英治氏と(有)フェアグラウンド中村悌二氏のプロデュースによる新業態である。インテリアデザインは(株)エイジの佐藤一郎氏が手がけており、コンセプトは“アーティストの部屋”。 <中村悌二氏インタビュー>
「“ゆるさ”を表現したかったんです。沖縄の民芸品を使う感覚や郷土料理の店特有の押し付ける感覚なく、お客様がいい意味で勝手に楽しめる店を目指しました」(DEIGO/マネージャー 江尻 仁氏) 料理は沖縄の鍋を独自にアレンジした『名物 琉球薬膳中身大鍋(3500円)』は、「ろくまる」の中身=もつの仕入れを活かしたメニューであり、店の個性を出すメニューの一つでもある。現地から取り寄せた『海ぶどう』は生で、『秘伝スーチカ特性 骨付バラ肉の塩ゆで(980円)』は珍しい骨付きで提供する。客単価想定は6,000円〜7,000円。 ■ブームで終わらない カジュアルリゾートレストランについての捉え方とは。 「沖縄料理は郷土料理の一つで、ブームでは終わらないと思います。外食は物販などと違いお客様の滞留時間が長く、お客様と店員が接する時間が長いのが特徴です。南国やリゾートというテーマは演出としていいのではないでしょうか」(江尻 仁氏) <SHOP DATE> 「DEIGO」
ハワイ料理のブームといえば、「アラン・ウォンズ・ハワイ」や「ロイズ」などに代表されるフレンチやイタリアンベースにアジアのスパイスや素材を取り入れた“ハワイアンヌーベルキュイジーヌ”や、ハワイの丼「ロコモコ」専門店といったファストフードが話題になった。その間に位置するカジュアルなハワイアンレストランは、ホスピタリティ、料理、空間を追及し、消費者は時代の窮屈さから逃れ、思いっきりリラックスを愉しめる空間を求める。 一方の沖縄料理ダイニングは目まぐるしく普及する中、いま差別化を図る動きが見られる。食材や泡盛の種類にこだわるだけでなく、東京のエッセンスを取り入れた進化した沖縄料理ダイニングが産声をあげている。 【UP FRONT】でも取り上げた青山「カシータ」や銀座「カユマニス」が晴れの日のちょっと気取ったリゾート体験を味わう空間だとすれば、肩の力を抜いて普段着で行ける気軽さが売りだ。席や空間の自由さ、波のBGMが流れる非日常的空間の“カジュアルダイニングレストラン”。食だけでなく、癒しや楽園へのバーチャル体験を提供する新しいレストランシーンとして、いま時代の波に乗っている。 |






























