編集長のつぶやき
外食企業も「ダイバーシティ経営」を学べ!

「いま元気な外食企業を挙げよ」と言われれば、おそらく多くの人が「ダイヤモンドダイニング」と答えるに違いない。11月はなんと8店舗の集中出店。しかも商業施設あり駅前ビル物件ありの好立地ばかりを押さえている。改めて、同社の強みとは何なのか考えてみたい。
11月の出店概要はこうだ。
・11月5日、食・酒「蔵仕込み夢膳」(愛宕グリーンヒルズ)
・11月6日、Belgian Beer & Tapas「BEER GARAGE」(カレッタ汐留)
・11月11日、九州料理・焼酎「博多黒太鼓」(浜松町)
・11月13日、手羽先専門店「真骨鳥」(新橋)
・11月14日、「絵本の国のアリス」(新宿)
・11月25日、かつお藁焼き・土佐料理「竜馬が如く」(新橋)
・11月25日、土佐串焼き・地鶏料理「土佐ジロー」(新橋)
・11月28日、Pizzeria & Belgian Beer「Dear MARBLE」(吉祥寺)
エリアといえ、業態といえ、物件形状といえ、実に多様である。この出店が予定通り進めば、通算75店舗である。ご存知のようにダイヤモンドダイニングは、社長の松村厚久氏が創業当初から「100店舗100業態」の展開を打ち出し、その“公約”通りに展開を続けてきた。このままいけば、来期には100店舗達成も不可能ではないだろう。いま振り返ってみて、同社の経営を評するならば、私は「ダイバーシティ経営の成功」と言いたい。それまでの外食チェーンが1業態多店舗化、単一カルチャー経営だとすれば、ダイヤモンドダイニングはダイバーシティ(多様性重視の経営)によるニューチェーンオペレーションと言っていいからだ。
ダイバーシティ経営とは、グローバル化に対応して、企業が国籍や人種、性別に関わりなく幅広い人材を登用していくスタイルとして、2003年頃からIBMなどのアメリカの企業の間で導入されてきたマネジメント手法だ。日本でも、ソニーや松下電器(現パナソニック)がいち早く導入し、日本型の「個を重視する経営へのパラダイムシフト」を完成させていった。しだいに「ダイバーシティ」という経営用語は拡大解釈され、「多様な価値観、異質なカルチャーを重視する経営」という意味に変わってきた。さらに、変化するマーケット、多様化する顧客ニースに対応するためにマネジメント手法として注目されるようになったのだ。
私はずっと身近でダイヤモンドダイニングの経営を見てきて、「これこそダイバーシティ経営ではないか」と膝を打った。顧客の価値観の大きな変化により、いままでのような小手先のマイナーチェンジではなく、思い切った業態再構築やMDの特化が必要となってきている。そのためには、変化対応力やボトムアップ型の多様なアイデア採用などが不可欠となってきている。トップダウン型、単一カルチャー型のマネジメントでは、もはやこのマーケットの構造変化の時代を乗り切ることはできないだろう。いまこそ、外食企業は「ダイバーシティ経営」に学ぶべきだ。
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【筆者プロフィール】
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。1997年の金融不祥事発覚の突破口となった「野村證券総会屋利益供与事件(元社員の手記)」をスクープした『月刊BOSS』(編集長代理)など、数々の雑誌創刊に関わった後、2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長をつとめる。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2002年10月、フジTVと提携し『MENUマガジン』を創刊、vol.3までエディトラルアドバイザー。2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。
現在、レストラン・フードビジネス専門のプロデュース&プロモーション会社の有限会社カシェットを運営。2004年 10月から日刊紙の「フジサンケイビジネスアイ」日曜版で「行列 のできる店 仕掛人」シリーズ連載執筆。その他、日本ショッピングセンター協会、東京商工会議所渋谷支部で「商業施設における魅力ある飲食テナント誘致」等のテーマで講演。『月刊店舗』2005年8月号から06年1月号まで「食トレンドの先読み術」連載。テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」で“隠れ家レストランの仕掛け人”として、プロデュースした神楽坂「art et vin HAP(アール・エ・ヴァン ハプ)」が取り上げられる。





