編集長のつぶやき

【VOICE FROM EDITOR】2007-01-18

「新丸ビル」飲食街への期待と失望

「新丸ビル」飲食街への期待と失望

三菱地所が4月27日開業の「新丸の内ビルディング」(商業ゾーン全153店舗)に出店するレストラン40店舗の顔ぶれが明らかになった。

レストラン街は5階から7階の3層に集めた。“天空レストラン”はない。“大人の「素敵な時間」”を提供するのがコンセプトである。5階「グルメストリート」(27店舗)は老舗名店や街場の話題店を集めている。居酒屋の神田「新八」やおでんの「こなから」、焼き鳥とワインの「萬鳥」、鰻「駒形」などのシブい銘柄が並ぶ。また、渡邉明氏の「AWキッチン」やい志井の立ち飲み処「日本再生酒場」などの話題店も出店。“品のある猥雑さ”に期待したい。

6階「ワールドレストランツ」(5店舗)はどんな三ツ星が来るか期待されていただけに、ちょっとがっかり。オーストラリアのスターシェフ、ルーク・マンガンの出店が光るぐらいだ。丸ビルの高級レストラン誘致の反動だろうか、今回は“カジュアルレストラン”を謳っている。このあたりは現実的な路線を選らばざるを得なかった事情がうかがえる。普段使いを打ち出したことは近隣オフィスワーカーから支持されるだろう。

注目は7階「丸の内ハウス」(8店舗)である。六本木ヒルズの「ハートランド」や丸の内TOKIAの「PCM」を仕掛けたキリンビールの島田新一氏が“陰のプロデューサー”だが、360坪のワンフロアラウンジに“大人の遊び場”をつくる。共用部分はバワリーキッチンをデザインした形見一郎氏が関わっており、どんな空気感を醸し出すか見ものだ。足立正利氏の「自由ヶ丘グリル」が出店するほか、山本宇一氏のテーブルモダンサービスプロデュースのカジュアルダイニング&ラウンジ、“サービスの神様”こと新川義弘氏の「リゴレット ワイン&バー」など、“役者”が揃っている。“クラブハウス”らしいサービスとサプライズに期待したい。

 

【筆者プロフィール】

(佐藤  こうぞう)
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』編集者を経て独立。1997年の金融不祥事発覚の突破口となった「野村證券総会屋利益供与事件」をスクープした『月刊BOSS』(編集長代理)など、数々の雑誌創刊に関わった後、2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長をつとめる。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2002年10月、フジTVと提携し『MENUマガジン』を創刊、vol.3までエディトラルアドバイザー。2004年1月より「週刊フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。
現在、レストラン・フードビジネス専門のプロデュース&プロモーション会社の有限会社カシェットを運営。2004年 10月から日刊紙の「フジサンケイビジネスアイ」日曜版で「行列 のできる店 仕掛人」シリーズ連載執筆。その他、日本ショッピングセンター協会、東京商工会議所渋谷支部で「商業施設における魅力ある飲食テナント誘致」等のテーマで講演。『月刊店舗』2005年8月号から06年1月号まで「食トレンドの先読み術」連載。テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」で“隠れ家レストランの仕掛け人”として、プロデュースした神楽坂「art et vin HAP(アール・エ・ヴァン ハプ)」が取り上げられる。日本で初めて「レストランビジネス・ジャーナリズム」分野の開拓を目指す傍ら、飲食店プロデューサーとして「レストラントレンド」をテーマに講演・執筆を重ねている。

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