編集長のつぶやき

【VOICE FROM EDITOR】2006-08-02

日本経済の先行きを占う「銀座バブル」

日本経済の先行きを占う「銀座バブル」

国税庁が発表した全国の「路線価」によると、銀座中央通り(5丁目)が前年比24%アップで上昇率全国トップ。「局地バブル」の象徴とされている。

たしかに、「銀座バブル」は銀座の街を歩いてみれば実感できる。8丁目のクラブ街が賑わっているのは「格差バブル」であって本質ではない。目線を低くして街を歩くと、そこかしこに新築ビルの建設ラッシュの風景が目に入るのだ。とくに銀座2〜3丁目の中央通りと電通通りに挟まれたエリアと銀座7丁目の中央通りと昭和通りに挟まれた一角。

銀座7丁目の「ライオン銀座7丁目店」の裏には、10月17日にワンランク上の「銀座ワシントンホテル」(13階建て)がオープンする。その地下1階にテナントとして入る「筑紫楼銀座店」(10月1日先行オープン)は“クラッシック&ゴージャス”をテーマに巨大水槽に泳ぐ鮮魚や世界中の鮫から客がその日食べたいものを選べる演出。空間にはゴールドが散りばめられている、まさにアッパーターゲットの高級中華となる。しかも平日は朝4時までミッドナイト営業を行うという。

来年、2007年は六本木ミッドタウン(三井不動産)、新丸ビル(三菱地所)の開業を機に「第2次レストランバブル」が到来するが、銀座2丁目エリアでも“もう一つのMM(三井・三菱)戦争”が繰り広げられる。話題性では、春にオープンする予定の「Gプロジェクト=三井」がコンランレストランの誘致決定で先行しているが、三菱がリーシングを担当する「読売銀座2丁目ビル」(秋オープン予定)もどんな玉が飛び出すか見ものである。

この周辺では、旧大成建設本社跡地にやはり来春、「銀座2丁目ビル」「銀座マロニエビル」「GM銀座本館ビル」の3棟の商業・オフィスビルが建つ。さらに、秋にGプロジェクトの隣に「イノックスビル」、4丁目には「セイコービル」が竣工する。まさに不動産開発バブル以外の何ものでもない。さらに電通通りを挟んだ有楽町側には、丸井をキーテナントとした巨大再開発プロジェクトが進んでいる。こちらも来年の春にオープンする予定。有楽町マリオンが誕生したのがバブル前の1984年。それから四半世紀を迎え、いま再び本物のバブル前兆なのか、それとも局地バブルに終わるのだろうか。「銀座バブル」の行方が日本経済浮沈のリトマス試験紙になるかもしれない。

 

【筆者プロフィール】

佐藤 巧三 (さとう こうぞう)
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』編集者を経て独立。数々の雑誌創刊に関わった後、2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長をつとめる。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2002年10月、フジTVと提携し『MENUマガジン』を創刊、vol.3までエディトラルアドバイザー。2004年1月より「週刊フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。
現在、レストラン・フードビジネス専門のプロデュース&プロモーション会社の有限会社カシェットを運営。2004年 10月から日刊紙の「フジサンケイビジネスアイ」日曜版で「行列 のできる店 仕掛人」シリーズ連載執筆。その他、日本ショッピングセンター協会、東京商工会議所渋谷支部で「商業施設における魅力ある飲食テナント誘致」等のテーマで講演。『月刊店舗』2005年8月号から06年1月号まで「食トレンドの先読み術」連載。


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