編集長のつぶやき

【VOICE FROM EDITOR】2006-07-27

いま「手作りビール」が面白い!

いま「手作りビール」が面白い!

地ビールが解禁されたのが1995年。その勃興ブームとサバイバル競争が一巡し、再び盛り上がりの兆しが出てきた。加えてベルギービールを始めとするヨーロピアンビアブームが台頭、今年の夏は「一味違うビール」がブレイクしそうだ。

7月初旬、天王洲アイルにユニマットキャラバンがオープンしたヨーロピアンビアテラス「SPIBBLE(スパイブル)」。ベルギーを中心としたヨーロッパビールが楽しめる。ベルギー中心にドイツ、イギリスなど50種のボトルビールと日本初となるドラフトタワー(ゴールデンゲート・イタリア製)を装備。常時9種の輸入樽生ビールが楽しめる。9月にはあのダイヤモンドダイニングが川崎に出来る新商業施設「ラゾーナ川崎プラザ」にベルギービアレストランをオープンする。

日本の「クラフト(手作り)ビール」の提供者たちも元気だ。マニアの殻を破り、もっと幅広く普及させようと「グッドビアクラブ」なる消費者団体も誕生した。今年は設立3年目になるが、このクラブが火をつけた「リアルエール」(イギリスの伝統的な手法で作られた樽生)は確実にマーケットに浸透しつつある。

TVドラマ「下北サンデーズ」のスタートで盛り上がる下北沢の本多劇場近くに3月オープンしたBeer-bar「USHI-TORA」。オーナーの吉田伸右さんは、西荻窪で「Manna」という洋酒バーをやっていたが、クラフトビールに目を付けて転身、下北にビアバーを開いたのだ。「洋酒やワインより簡単で面白そうだったから」と吉田さんは転身の理由を語るが、実際にビールの世界に入ってみると、その奥の深さに驚いている。エールビールを中心に20種類の樽生(タップ)と3台のハンドポンプを提供している。ハンドポンプを操作しながら、「この感触がいいんですよ…」と嬉しそうだ。

吉田さんによると、クラフトビールの世界には3者の「先達」がいるという。その先輩達は吉田さんのような若手新参者が戸を叩くと、快く迎え入れて「技術と情熱」を吹き込んでくれるという。3者とは、両国「ポパイ」店主の青木辰男さん、「よなよなエール」ブランドで知られるヤッホーブルーイングの石井敏之さん、そして2000年に沼津で生まれた「ベアードビール」のベアードブルーイングカンパニー創業者夫妻。9月17日には彼ら業界の先達が一同に会する「Nippon Craftbeer Festival 2006」(すみだリバーサイドホール)で開催される。こうしたムーブメントの中から、ヨーロピアンビアパブでもなく、ベルギービール専門店でもない、日本発の「クラフトビアバル」といった新業態が生まれるかもしれない。

マスメディアは大手ビール4社の横並び新商品開発競争を“ビール戦争”として面白がって取り上げるが、こうした“インディーズビア戦争”こそビール文化底上げにつながるのではないか。

【筆者プロフィール】

佐藤 巧三 (さとう こうぞう)
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』編集者を経て独立。数々の雑誌創刊に関わった後、2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長をつとめる。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2002年10月、フジTVと提携し『MENUマガジン』を創刊、vol.3までエディトラルアドバイザー。2004年1月より「週刊フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。
現在、レストラン・フードビジネス専門のプロデュース&プロモーション会社の有限会社カシェットを運営。2004年 10月から日刊紙の「フジサンケイビジネスアイ」日曜版で「行列 のできる店 仕掛人」シリーズ連載執筆。その他、日本ショッピングセンター協会、東京商工会議所渋谷支部で「商業施設における魅力ある飲食テナント誘致」等のテーマで講演。『月刊店舗』2005年8月号から06年1月号まで「食トレンドの先読み術」連載。


トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://www.food-stadium.com/blog/81/trackback.html

トラックバック一覧(1)

コメント

■コメントを書く

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

編集長のつぶやき一覧

編集・ライター急募!

フードスタジアムの編集・
取材ライター業務です。

http://www.food-stadium.com

出店・業態開発の相談は

物件探しのお手伝いから
開業、販促プロデュースまで

www.cachette.co.jp