編集長のつぶやき

【VOICE FROM EDITOR】2006-01-29

丸の内「TOKIA」の読み方

丸の内「TOKIA」の読み方

『週刊新潮』の「TOWN」欄から、東京ビル「TOKIA」についてコメントを求められたので、「関西系の立ち飲み屋やお好み焼き、串揚げ屋などをリーシングしたのは丸ビルでかっこいいことをやり過ぎて外したので、その真逆をやったのでは。三菱地所の一種の危機意識の表れではないか」と答えたら、その通り書かれた。

しかし、レセプションを覗いてみて考え方を変えた。「三菱地所が東京のレストランシーンを動かす飲食プロデューサーたちに真っ白なキャンバスを用意して自由な絵を描かせたのだ」と。丸ビルのときは地所側がプライド剥き出しで、とにかく「日本初、東京初ブランド」にこだわっていて力が入りすぎていたが、「TOKIA」は肩の力が抜けたところがむしろかっこいいと思う。

さて、気になった店を取り上げてみたい。1番は1階のPCM。キリンの社員でありながら六本木ハートランドを仕掛け大成功を収めた島田新一氏が、そのセンスと野心を大いに発揮したスノッヴな店だ。スタンディングで飲めるテラススペースからは東京国際フォーラムのモダン建築が望める。欧米ではミクソロジストが提供するラグジュアリーカクテルとして定着しているスーパープレミアムウォッカを大胆に提案している。六本木に続き、この店は外国人の溜り場になることは間違いないだろう。2番は地下1階の「かのやきよし」。東京には「地方の名産」をウリにしたショップや飲食店は数々あるが、この店はきわめて今様のプレゼンスタイルだ。立ち飲みだが、地元鹿屋市でとれる野菜や豚、魚などの旬の素材、豊富な焼酎、そしてスタッフまで鹿屋市からそのまま運んできた。その土の臭いがいい。仕掛け人は大阪のバルニバービ、佐藤裕久氏。市長との交遊が出店に結びついた。

3番目はグラナダの下山雄二氏が手掛けた「BAR de ESPANA MUY」。「一番スペインがやりたかった」下山氏にとって、銀座の「Pero」のヒットは立ち飲み・バルブームが追い風になったとはいえ、大いに自信につながったに違いない。今回の「MUY」は立ち上げまでにじっくり時間があった。ようやく彼らしい個性を叩き込めた店に仕上がった。あとは、出店のタイムリーさと話題性から言ってヒットコンテンツになること必至なのは「VIRON」「野の葡萄」「ベルジアン ビア・カフェ アントワープ セントラル」あたりだろう。「コットンクラブ」は誰が通うのだろうか、客の顔が見えなかった。ただ、全体的に言って、出店ハードルの高さがあるとはいえ、東京の街場で活躍している無名のオーナーやプロデューサーたちが参戦できる間口の広さが欲しかった。期待していた「関西系」各店舗にいまひとつオーラを感じられなかったのは筆者だけだろうか。「関西」へのこだわりが今度は「外れだった」という結果にならないことを祈りたい。


トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://www.food-stadium.com/blog/37/trackback.html

コメント

■コメントを書く

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

編集長のつぶやき一覧

編集・ライター急募!

フードスタジアムの編集・
取材ライター業務です。

http://www.food-stadium.com

出店・業態開発の相談は

物件探しのお手伝いから
開業、販促プロデュースまで

www.cachette.co.jp