編集長のつぶやき

【VOICE FROM EDITOR】2006-01-06

「日本酒」ブームは来るか?

「日本酒」ブームは来るか?

日本酒の酒蔵が72蔵も集まって、「吟醸酒」専門のバーを期間限定で開くという。

焼酎ブームも定着し、梅酒が来るかと思うと、火種は燻ってはいるがまだ煙の状態。その間隙をぬって、日本酒が一気に来るかどうか。期間限定の吟醸バーの店は、なんと伝説の麻布十番「庫裏」(クリ)があった箱。酒屋「さかや栗原」の店主、栗原信利さんは「日本酒の酒蔵さんはいま世代交代が進んでいて、いろんな酒づくりを研究しているんですよ」と語る。そんなメーカーの努力を流通業者の立場から応援する。

今回の期間限定吟醸バー企画の話に関しても栗原さんはすぐに賛同し、業者のルールから表立ってはコミットできないが、ちょうど銀座に移転した弟さんが経営する「庫裏」の空き店舗を提供することにした。この麻布十番の“日本酒メッカ”と言われた場所から、日本中の、いや世界中の人々に向けて「日本には日本酒があるんですよ」とメッセージを発信する。そして、フランスにはヴィンテージワインがあるように、スコットランドにはモルトウイスキーがあるように、栗原さんはいま長期熟成の「古酒」に日本酒復権の想いを賭ける。

日本酒が新たなトレンドに躍り出てくるかどうかは別として、この発信基地が“ゆるゆる”としたスローな時間が流れる麻布十番という街であることに筆者は注目したい。六本木ヒルズの城下町として、新たな呼吸と蠢動を始めた街、麻布十番。ここでは、恋人たちが待ち合わせに遅れたとか、終電だから帰らなければならないとか(地下鉄駅が出来て空気がギスギスしはじめた)、そんな時間感覚は無用だ。だから、朝まで居られるラ・ボエムが流行る。最近デビューした「AZABU HAUS」は23時間営業。掃除機をかけている時間だけが休憩時間。「そのときにお客さんがいらっしゃっても、掃除機が気にならなければ入店していただきますよ」とAZABU HAUSの店員は言う。

ブレイク中のシンガポール・チキンライスの「海南鶏飯食堂」、アロマクラシカ原田シェフの新店「カーサ・ヴィニタリア」、オリエンタル料理の「a Cave」、オーガニックの「KIYO'S KITCHEN」、今度十番初の立飲みを計画中のアジアンダイニング「ラウラウ」など、個性的な店が増えている。六本木ヒルズのもう一つの城下町「西麻布」とは違う、中目黒的な成長をこの街は遂げていくのだろうか。この街を夕方から朝まで歩いてみて、「麻布十番に住む」ことが今後、トレンドになるような予感がした。

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