編集長のつぶやき

【VOICE FROM EDITOR】2006-01-09

業態力か、それともオペレーション力か?

業態力か、それともオペレーション力か?

第二次飲食ブームと言ってもいいほど、新しい業態の店が増えている。

今回のブームの背景には、不動産ファンド系やIT系企業、もしくは他業種からの新規参入が多くなったことがあげられよう。そうしたアウトサイダーからすると、飲食ビジネスは文字通り美味しく見えるようだ。しかし、現実はそうではない。新聞の取材でお目にかかったWDIの清水謙社長はこう言った。「もう国内マーケットはブランドのライフサイクルが短く、投資回収して収益を上げていくビジネスモデルがつくりにくい。いま、海外に軸足を移しているところですよ」。つまり、業態やコンセプト指向型の店を継続させるには難しい環境になったということだ。

ただでさえ、そうした傾向があるなかで、アウトサイダーが市場に乱入したらどうなるか。さらにパイの食い合いになるのはもちろん、肝心のオペレーションや人材が追いつかず、「コンセプトやデザインはいいが、料理が出るのは遅いし、サービスが全くなってない」といった店が増えることになる。新しい店をチェックするのが仕事の筆者に限らず、そんな体験をした方は多いのではないだろうか。「ウチは新業態をつくるにしても、今はクリエーターを使ってません。オペレーションのチームに業態を考えさせています」と清水さん。いいコンテンツがあれば出資して業態を買い、同社のオペレーション力で展開していく。ジンギスカンの「くろひつじ」がその例である。

やはり、新聞の取材で先日お会いしたワンダーテーブルの林祥隆社長も、「2003年は業態力、2004年は店舗力の強化に邁進しました」と言う。業態開発は小休止し、既存店のオペレーション力のブラッシュアップに努めた。林さんが言う「店舗力」とは組織力、運営力、攻撃力の3点。それがホップ、ステップ、ジャンプというかたちで、お店の総合力となる。その3点を数値化し、全店舗の再評価を行ない、スタッフが目に見える目標を達成するためのプログラムをつくっている。「店舗力がついてくれば、また新業態に挑戦していきたい」と林さん。今はオペレーション重視の舵取りを行なっている。

このように、清水さん、林さんという日本にアメリカのようなレストランビジネスを導入しようと考えている経営者が揃って「業態よりもオペレーション」と言い出した。一方では、資本力にモノ言わせた業態、ブランドの量産に走る企業も増えている。2年、3年後には果たして、どちらが勝ち残っているだろうか。


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