編集長のつぶやき

【VOICE FROM EDITOR】2006-01-10

関西出身パワーから目を離すな!

関西出身パワーから目を離すな!

6月7日、東京EASTの熱いエリアの一つ門前仲町にまた一軒、超個性的な店がオープンした。

その名も「深川 山憲」。コンセプトは地方の漁港で漁師たちが水揚げした魚を、七輪を囲んでその場で焼いて食べるまかないのシーンを再現した店。魚を運ぶ木箱を重ね、その上に七輪を置く。椅子はもちろん即席のビールならぬ一升瓶ケース。25坪足らずの店は、職人たちのきびきびした包丁裁きのパフォーマンスを囲むカウンター席中心。真ん中の柱以外はすべてオープンエア。店内に座れないお客さんは、軒先に臨時でつくられた席につく。鮮魚店がそのまま居酒屋になったようなコテコテの造作である。料理は魚介類のほか、旬の野菜も豊富。ドリンクには「ホイス」を取り入れた。締めは、ごはんに鰹節を山盛りに乗せて醤油をかけただけの「ねこ飯」に高知のセコ蟹を煮出した「せこ汁」がおすすめとか。

実はこの店、首都圏でフードサービス業専門求人情報誌「グルメキャリー」を発行するジェイオフィス東京(4月に大阪本社から分離独立)の飲食店サポート部隊「ネオサポート」が初めてプロデュースした。経営は某設備関連メーカーだが、ジェイオフィス東京も出資、2社コラボレーションによる運営だ。ジェイオフィス東京社長の岡崎千高さんとネオサポートの浜倉好宣さんが中心になってコンセプトから内装、メニュー、キャスティングまでトータルプロデュース。

「こんなコテコテの飲食店の原点みたいな店をやってみたかったんです」と岡崎さん。一方、ちゃんとフードサービスからフードスコープを経て昨年からネオの責任者となった浜倉さんは「新鮮な魚介類を自分で焼いてガツガツ食べる。気取らないで笑い声を上げながら楽しく過ごす。東京の店はカッコつけた店が多くなったから、その真逆をやってやろうと考えた」と言う。ちゃんとでは銀座の「橙や」、フードスコープでは「黄金の舌」、ニューヨークの「MEGU」などを立ち上げただけに、その店作りの哲学には凄みさえ感じた。コテコテだけではなく、手ぬぐいが似合うオッちゃんとモデルのようなビジュアルの女性スタッフを絡ませたホール演出やMEGU、MAIMONなどのグラフィックデザイナーに毛筆で描かせた品書きや壁画、さらに「プラダを意識した」というトイレなど、ところどころにコジャレた細工を施している。

店そのものも個性的だが、今回、岡崎さんがテーマとして最も提案したかったのは、仕事がら「人の再生ビジネス」であること。採用した魚職人はほとんどが現役リタイア組。鮮魚店の元経営者や漁師の経験者。「魚に関わる職業を一度経験され現役を退かれた方や、やむをえず途中で挫折された方の“第二の人生”“リベンジ”ができる職場をつくってあげたかったんです。飲食人というカテゴリーの中で、人の活用、活性化ビジネスをやってきましたが、今後は人の再生のお役に立ちたいんです」と熱く語る。いわばヒューマン・ルネッサンスビジネスとしての飲食店展開だ。岡崎さんはまだ33歳、飲食“第3世代”である。“第2世代”の井上盛夫・橋田佳明さんコンビ率いるソルトコンソーシアムに続き、この岡崎・浜倉さんの関西出身コンビが次は何をやるか、目が離せなくなった。


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