編集長のつぶやき

【VOICE FROM EDITOR】2006-01-20

静かに変貌遂げる「八重洲地下街」

静かに変貌遂げる「八重洲地下街」

深く静かに東京駅八重洲地下街が変貌しつつある。

昨年12月に「ウォーターグリル」で名を上げたヒューマンウェブ(吉田秀則社長)の「ガンボ&オイスターバー」がオープンして以来、今年1月には鳥良グループのサムカワフードプランニング(寒川良作社長)が“名古屋発”味噌煮込みうどん「玉丁」、6月にはスパイスロード(涌井征男社長)のタイ料理「サムアイ・オーキッド」と、コンセプチュアルで内装がそれなりにコジャレた店が連続して開店している。これは明らかに戦略的だなと思っていたら、やはりこの地下街を開発している「八重洲地下街株式会社」がじわりじわりと“オシャレ化計画”を進めているようだ。

吉田さん、寒川さん、涌井さんは偶然にも取材、ビジネスでお会いしたことがあるが、いずれも手堅くしたたかな経営者だ。これらの“タマ”を露払い役として揃えることじたい、八重洲地下街側は“確実な勝利”を狙っていると思われる。「たまたま寄る立地」に「わざわざ来てもらう店」を誘致する仕掛け。それは、ガンボ&オイスターバーの混み具合や客層の良さを見れば、一定の成果をあげていることがわかる。問題は夜の客単価だろうが、この店はおそらく6000円を超えているのではないか。八重洲地下街にしては画期的というべきだろう。

これは私の邪推だが、なぜ八重洲地下街株式会社が深く静かに潜行した仕掛けをしているのか。同社は大丸とヤンマーの出資会社であり、大丸は東京店を東京駅の「エキナカ」「黒塀横丁」「キッチンストリート」などの飲食街を仕切るJR東日本グループの「株式会社鉄道会館」から借りている関係であり、「東京アール・ビー商事」という飲食直営企業までもつ鉄道会館との微妙なバランス関係が働いているのではないか。京橋側のPCPビルの飲食ゾーン「Age」(まったくイケテない!)も鉄道会館が運営している。八重洲地下街はその両側に挟まれて窒息しかかっていたのだ。それを再生しようというのだからエネルギーが要るハズだ。

8月27日にはカレーうどんの「古奈屋」が八重洲地下街に初のスープカレー専門店をオープンする。戸川貞一社長は「八重洲地下街が変わる可能性にも注目した」と出店を決めた。日本橋コレドには「古奈屋」があり、それとの相乗効果も期待できる。スープカレーブームの真っ只中ではあるが、戸川さんは「ウチのうどんのスープには、なぜか赤ワインが合うんです。今回はこのミスマッチの魅力をとくに八重洲周辺のOLさんに楽しんでもらいたい」と期待する

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