編集長のつぶやき

【VOICE FROM EDITOR】2006-01-21

外食業界マネーゲーム狂想曲

外食業界マネーゲーム狂想曲

外食業界にはいま、「資本」という名の妖怪が徘徊を始めた。

ライブドアの堀江貴文氏じゃないが、「いい会社があったら買っちゃえばいいじゃない」といった軽いノリで、何億、何十億というカネが飛び回っている。そして、気がつけば、「えっ、あそこの店はこの前まで、Aの経営だったよね。いまはBの経営なの?」といった会話が業界筋で飛び交う時代になったのだ。これも“ホリエモン効果”なのだろうか。そういえば、ライブドアも飲食業界には関心が深いようで、ドブ川を底から網で掬うように、最近、飲食店分野の某設計・施工会社を買収したといわれている。

驚いたのは、レインズインターナショナル系のアートフードインターナショナルの「デキシーダイナー」が「カーディナス」グループのエーディーエモーションの手に移ったというニュース。カーディナスが代官山店や銀座店あたりから手を広げ過ぎ、恵比寿・西麻布での創業期の良さを失うとともに資金繰り的にも苦しくなり、ソフトバンクインベストメントによる再生が始まったわけだが、業界では「これで会社は残ったけど店はダメだろうな」と囁かれていた。ナンバーツーの長坂将志氏(マサ)が金山精三郎率いるワイズテーブルコーポレーションの支援を得て「タンガ」を開業、若手幹部たちも次々に社を去るなかで、創業者の中村文裕氏(フミ)は孤軍奮闘、既存店の再生と「黒ぶたや」などの新業態立上げで“カーディナス神話”の復活を目指した。

片腕の一人だった片山峻徳氏も戻ってカーディナス1号店だった「カーディナスシノワ」に復帰。今回のデキシー買収。ソフトバンクマネーをバックに、いよいよ守りから攻めに転じるということか。ワイズといえば、最近脱退者が絶えないグローバルダイニングから優秀な人材が流入しているという。グローバルダイニングにとって株式上場は「一将、功成リテ万骨枯ル」だったのだろうか。オセロでいえば、遅れて上場した豪腕・金山氏のしたたかな一手が長谷川耕造氏の隙を突いてグローバルの駒を一気に裏返す日が来るかもしれない。

一方、フランチャイズ業界も凄まじい再編劇が起こっている。元日本フランチャイズ協会会長の黒川孝雄氏率いるFCI(フランチャイズインキュベーション)によるタスコシステムの買収、名古屋の学習塾チェーン「がんばる学園」からスタートしたジー・コミュニケーション(稲吉正樹社長)によるゼクー、平禄の買収。黒川氏と稲吉氏は師弟関係である。この師弟コンビの背後には、フランチャズ業界の錚々たる人脈図がある。黒川氏・稲吉氏は業界刷新派。いまの永田町の政治状況さながらの新旧対決の構図が見てとれるのだ。カーディナス、FCIやジー・コミュニケーションのまさに「オセロゲーム」のようなケースは、これからの“外食業界大再編劇”の狼煙となるのだろうか

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