編集長のつぶやき

【VOICE FROM EDITOR】2006-01-22

「居酒屋甲子園」とは何ぞや?

「居酒屋甲子園」とは何ぞや?

グローバルダイニングの「タブローズ」元店長だった平尾健治さんをインタビューしながら、いろいろなことが頭をよぎった。

平尾さんの上司だったのが、グローバルのナンバーツーで“伝説のサービスマン”といわれた新川義弘氏。今年6月に長谷川耕造氏の下を去り、店長派遣や教育を通じた外食支援をメインとするリンク・ワン常務に転職した。東京レストランマーケットが底流から国際化(アングロサクソンカルチャー化)にシフトしているいまこそ、顧客とイーブンのサービスを哲学とする“新川イズム”が重要になっているにも関わらず、なぜドメスティックで信仰伝道型の日本エル・シー・エー“小林イズム”の傘下に入ってしまったのか。それがどうにも理解できないのだ。

言ってみれば、「情熱系(パッション)」と「冷静系(クール)」とのカルチャーギャップである。そういえば、かぶらやグループ・岡田憲征さんの下を飛び出し、“情熱系居酒屋”「てっぺん」を開店した大嶋啓介さん。自由ヶ丘の1号店までは、私も彼の情熱と野心を面白がって追いかけていたが、リンク・ワンの“伝道師”の顔をもつようになって、ほとんど興味を失ってしまった。その大嶋さんが進めている「居酒屋甲子園」の理念や目的もよく分らない。その甲子園にエントリーするのに5万円を払い、なぜか日本エル・シー・エーの「消費者覆面調査」を受けなければならない。これでは、NPO法人を利用した立派な営利事業ではないか。

「居酒屋甲子園」グループの発足メンバーをみると、たしかに“情熱系飲食ベンチャー”の梁山泊。しかし、中には業態の精度の低さを情熱でカバーしている企業や店舗も少なくない。私はベンチャーたちが好きだから敢えて言うが、彼らのピュアーな情熱や野心が一企業グループの生き残り目的のために利用されていいのか、という疑問である。日本エル・シー・エーグループのリンク・ワンで講師をしていた大嶋さんがやっていることは、“小林イズム”の布教活動の広告塔以外の何ものでもない。どんな立派な教育理念を説こうと、それは「百の説法、屁一つ」である。マーケットもいまや“情熱”ではなく“冷静”を求めているのではないだろうか。

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