編集長のつぶやき

【VOICE FROM EDITOR】2006-01-27

歴史は繰り返すと言うが…

歴史は繰り返すと言うが…

専門家によると、今はバブル経済がスタートした1985年と社会状況が酷似しているという。たしかに、中曽根行革で登場したNTT株の民営化で火がついた株のブーム。今は小泉郵政民営化の下で株価が上昇。不動産もファンドやリートを利用した開発ラッシュでマーケットが加熱気味

。また、阪神優勝、漫才(お笑い芸人)ブームなどもそっくりだ。飲食シーンでは、もつ鍋が全国を席巻し、ラムしゃぶも登場した。最近の異常なばかりのジンギスカンブームの過熱はまさにかつてのもつ鍋・ラムしゃぶブームと生き写しだ。今回インタビューした井上盛夫氏率いる関西食集団、ついに登場した島田紳助プロジェクト等、関西旋風は野球ばかりではない。

85年といえば、筆者は某出版社に出向して『マネージャパン』(現SSコミュニケーションズ)の創刊チームにいた。その後メジャーになった株式評論家たちがまだ無名の頃、この雑誌でデビューの仕掛けをつくっていた。そのときの先輩が、後にプレジデント社に戻り『Dancyu』を創刊したY氏。そのY氏は最近、『Pen』の別冊で『Pen Ates』を創刊した。20年前のバブルの頃と比べて、社会状況のみならず、経済、政治状況全般にいえることは、旧来のしがらみや利権に縛られた“守旧派”たちの時代が終わり、IT技術やファンドマネーを武器にした“改革派”が新しい時代のパラダイムを構築し始めたということだ。江戸倒幕から明治維新まで20年かかったように、まさに“平成維新”が仕上げに入ったということでもある。

問題は、明治の権力構造が薩長土肥出身の官僚たちの手によってリードされたように、平成の維新後の権力構造も財務省中心の官僚たちによって掌握されかねない危機が芽生えていることだ。片山さつきは、小泉チルドレンの衣を纏った財務省の“刺客”でなければいいと思っているのは筆者だけではないだろう。道路、郵政、同和、北朝鮮等のタブーを破壊していく小泉政治のエネルギーは維新完遂への最後の直線だが、そのゴールの後が怖いのだ。誰が次の「ニッポン」の絵を描くのだろうか。飲食シーン、筆者はそれを「時代のカルチャーを映す鏡」ととらえている。今回のバブルをうまく「ニューラグジュアリー消費(感性高質志向型消費)」に昇化させていくためには、再び活発な開発が始まった都市での商業空間再構築における飲食シーンの位置づけが重要になってくるであろう。

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