編集長のつぶやき

【VOICE FROM EDITOR】2008-05-15

“松村ワールド”と“新川イズム”が業界を面白くする!

“松村ワールド”と“新川イズム”が業界を面白くする!

外食不況を吹き飛ばすようなオープニングパーティーが続いた。10日には新川義弘・HUGEが六本木ヒルズ「リゴレット」で、13日には松村厚久・DDが品川に「タイムシャワー」で、覇を競い合うように“業界人大集合”のレセプションを開催した。

それはまさに、不況風を吹く飛ばすような盛大なレセプションパーティーだった。HUGEダイヤモンドダイニングの“ガチンコ対決”は昨年9月の銀座ニッタビル以来。地下1階に、両者は向き合うように新店を出した。その戦いも冷めやらぬうちに、今度はところを変えて再対決。レセプションの規模こそ、森ビルから最高最大の区画を提供されたHUGE・新川さんの「リゴレット バー&グリル」に軍配が上がったものの、品川港南口飲食街の中心地の1階角地を取ったDD・松村さん「タイムシャワー ブリュワリー」も多くのマスコミ人や業界人を集め気を吐いた。

レセプションパーティーの賑わいぶりを比較してもあまり意味はないが、いま業界を動かしているこの二者の戦いは、今後のレストランビジネス、外食トレンドを見ていくうえで参考になる。新川さんは、今回のオープニングで「百年品質」と表紙に刷ったパンフレットを配った。中身を開くと、タイトルに“100年品質レストラン”とある。新川さんはこう書く。「多くの外食の店舗ではコンセプト(業態)や店舗の寿命は3年から5年と言われています…これは外食産業のバリエーションを豊かにし、楽しくしているのも事実ですが、…長く続いているいる店は、決して多くありません」。

「…一つの場所に、お店をずっと残すという事は、ハードの力(デザインやコンセプトのこと)ももちろん必要ですが、…そのお店にオペレーション力(サービスやスタッフの目標・目的、スキルアップなどのソフト面のこと)があるという事。私達は面白い店も、面白い業態も作りますが、一番大切にしていきたいものは、この『オペレーション力』です」と続き、そして「…私達は、街の資産になるレストラン作りをしていきます」と締めくくっている。その地に根を張った長く続くレストランをつくること、その“新川イズム”を改めて打ち出したのだ。

それに対し、“100業態100店舗”をビジョンに掲げるDD(ダイヤモンドダイニング)・松村さんは、まさに新川さんが指摘するような「コンセプト(業態)」を打ち出し、「外食産業のバリエーションを豊かにし、楽しくしている」業界の代表格だろう。新川さんは「リゴレットブランド」(現在5店舗)を立地、客層に合わせて水平多店舗展開、松村さんはあくまで一業態一店舗展開を貫いている。いずれも“ニューチェーンのリーダー”といえるが、スタートで先行した松村さんが昨年は「外食アワード2007」を受賞し、昨日14日付けの日経MJ紙で公表された「飲食業07年度ランキング」で店舗売上高伸び率1位に選ばれるなど、外食業界での評価が急速に高まってきている。

新川さんも、そのパワーからいって松村さんを猛追することは間違いない。「業態開発力」か「オペレーション力」か、いずれにしても“松村ワールド”と“新川イズム”の戦いが業界を面白くしてくれることは間違いない。

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【筆者プロフィール】

(佐藤  こうぞう)
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。1997年の金融不祥事発覚の突破口となった「野村證券総会屋利益供与事件(元社員の手記)」をスクープした『月刊BOSS』(編集長代理)など、数々の雑誌創刊に関わった後、2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長をつとめる。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2002年10月、フジTVと提携し『MENUマガジン』を創刊、vol.3までエディトラルアドバイザー。2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。
現在、レストラン・フードビジネス専門のプロデュース&プロモーション会社の有限会社カシェットを運営。2004年 10月から日刊紙の「フジサンケイビジネスアイ」日曜版で「行列 のできる店 仕掛人」シリーズ連載執筆。その他、日本ショッピングセンター協会、東京商工会議所渋谷支部で「商業施設における魅力ある飲食テナント誘致」等のテーマで講演。『月刊店舗』2005年8月号から06年1月号まで「食トレンドの先読み術」連載。テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」で“隠れ家レストランの仕掛け人”として、プロデュースした神楽坂「art et vin HAP(アール・エ・ヴァン ハプ)」が取り上げられる。
日本で初めて「レストランビジネス・ジャーナリズム」分野の開拓を目指す傍ら、レストランビジネス・プロデューサーとして「レストラントレンド」をテーマに講演・執筆を重ねている。日本ショッピングセンター協会発行の『SC JAPAN TODAY』4月号より「食のマーケット&トレンド」を連載開始。
2007年5月、有限会社カシェットから「フードスタジアム」を分社独立、渋谷区代々木にフードスタジアム株式会社を設立。業界トップのWEBニュースとして、現在月間PV600,000を超える東京レレストラン&グルメニュース「フードスタジアム」の拡大、全国展開に乗り出す。『ARIgATT』の復刊も模索中。
佐藤こうぞうブログ「つぶやき編集長の『毒にも薬にも…』」も開始。“裏つぶやき”として話題に。


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