編集長のつぶやき
「九州・博多」飲食業界の“熱い夜”

20〜21日、博多で“二日連チャン”の飲食業界大集合のイベントが開催された。冬の訪れを告げる寒風が吹き始めた中州の夜は、地元×東京勢の飲食店経営者たちの熱気で燃え上がった。
20日の夜は、博多エリア39社の飲食店経営者が集まる“九州・博多のこだわり飲食店の会”「I c ∞会(イコー会)」の忘年会に顔を出した。「I c ∞」とは「I Challenge ∞(アイチャレンジ無限大」の略で、経営者同士の交流を通して情報交換しながらお互いのスキルアップを目指していこうという主旨。まとめ役は東京・渋谷に水炊き餃子「あ・うんの博多ぬくぬく家」を出店している有限会社アーバンの別府治幸社長。
この日の忘年会に合わせ、各社の店舗の「忘年会・新年会特集」が組まれたフリーペーパー「いこう・冬号」も創刊、刷り上ったばかりの雑誌が配布されて会は盛り上がりを見せた。集客はもちろん、サービス向上、スタッフ採用・研修から飲酒運転対策まで、経営者同士で考え、全員で飲食業界のレベル向上と存在価値を上げていく。会員の中から、東京進出を果たす経営者もたくさん出てくるに違いない。
21日は、フードリンクセミナーと、業界のキーマン・小秋元慶氏の三井物産フードサービス部、HBI、リンク・ワン、TRNが主催する「第6回コミュニケーションプラザ」の共催による「外食サミット」を開催された。東京、名古屋、大阪からも外食経営者が参加、野田豊加氏のプラン・ドゥ・シー経営「WITH THE STYLE」の会場は、地元・九州の経営者を含め約120名の熱気に包まれた。業者は一部の協賛会社を除きシャットアウト。ミュープランニング&オペレーターズ・吉本隆彦社長がミシュランガイドが追い風になる和食、日本食専門店の海外進出戦略について講演、イートアンド・文野直樹社長が中国進出の苦労話を披露した。
そしてメインイベントは、あうんグループ・アーバン別府治幸社長、「野の葡萄」のグラノ24K・小役丸秀一社長の地元勢と、エイチワイシステム・安田久社長、カフェ・カンパニー・楠本修二郎社長、ゼットン・稲本健一社長、パリから帰ったばかりのダイヤモンドダイニング・松村厚久社長の東京勢によるパネルディスカッション。毎度おなじみのメンバーだが、環境の厳しい地元参加者と一種の外食バブルの恩恵をこうむっている東京勢の“温度差”が垣間見えた。共通の悩みはやはり人材の確保、教育。「人をいかに育て、業界をレベルアップさせるか」に行き着いた。
2次会、3次会をリードしたのは、元気印の星が三つ付くゼットン・稲本健一(イナケン)さん。九州エリア最大の酒販店・株式会社オーリックのアテンドで流れた中州の店は、20名近くの東京外食ベンチャー経営者の“業界ミーティング”の場と化した。19日から私と「九州・食材探しの旅」に同行した“マネーの虎”エイチワイシステムの安田久氏さんは、さすがに三日目になるこの夜ばかりは“虎の威”をなくしていた。この4日間、博多で飲食業界の行く末を考えたが、結論は出なかった。
【筆者プロフィール】
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。1997年の金融不祥事発覚の突破口となった「野村證券総会屋利益供与事件(元社員の手記)」をスクープした『月刊BOSS』(編集長代理)など、数々の雑誌創刊に関わった後、2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長をつとめる。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2002年10月、フジTVと提携し『MENUマガジン』を創刊、vol.3までエディトラルアドバイザー。2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。
現在、レストラン・フードビジネス専門のプロデュース&プロモーション会社の有限会社カシェットを運営。2004年 10月から日刊紙の「フジサンケイビジネスアイ」日曜版で「行列 のできる店 仕掛人」シリーズ連載執筆。その他、日本ショッピングセンター協会、東京商工会議所渋谷支部で「商業施設における魅力ある飲食テナント誘致」等のテーマで講演。『月刊店舗』2005年8月号から06年1月号まで「食トレンドの先読み術」連載。テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」で“隠れ家レストランの仕掛け人”として、プロデュースした神楽坂「art et vin HAP(アール・エ・ヴァン ハプ)」が取り上げられる。





