編集長のつぶやき
アトレ上野に「バニュルス」旋風吹くか?

5周年を機に「アトレ上野」が5月から段階的に進めてきたテナントの入れ替え、既存店のリニューアルが完了、“最後の目玉”の「バニュルス」がオープンしたというので行ってきた。さすが、丸山宏人・オザミワールドである。街と溶け込み、通りにオーラを放っていた。
JR上野駅は迷路である。「アトレ上野」もその迷路を無理やりいくつかの区画に分け、ゾーニングしただけに何度足を運んでも目的の店にたどり着くのが難しい。大地震が来れば確実にパニックになるに違いない商業施設である。先日も8月にオープンしたカフェ・カンパニーの「ワイアードカフェ」(レトロ館地下1階)を探すのに30分もかかった。それはともかく、JR首都圏の駅ビルを商権にもつ首都圏駅ビル開発株式会社・アトレ側は今回の“グランドリニューアル”に並々ならぬ力を注いできたことが、テナントの顔ぶれに現れていると言えよう。
5月から順次出店したのは「立喰酒場 buri」(竹若)、「妻家房」(永明)、「アフタヌーン・ティールーム」(サザビーリーグ)、「ワイアードカフェ」、そして「バニュルス」である。また、既存店「コカレストラン」(コカレストランジャパン)、ブラッスリー・レカン」(セーキ)、「リモネッロ」(ユニマットクリエイティブ)もリニューアルした。なかでも、今回の注目株は山下口から不忍口に抜ける“パークアベニュー”に出店した「立喰酒場 buri」と「バニュルス」である。ここは坪7万とも8万ともいわれ、朝4時まで営業することが条件だったが、申込みが殺到したという。その中でアトレ側の担当者が最終的に選んだのが恵比寿でカップ酒と立ち飲み文化を発信した「buri」と銀座でスペインバル文化を発信した「バニュルス」だった。
とくに「バニュルス」が出店した場所は角地で間口が広い“最高の物件”。際コーポレーションの「上海バール」跡である。入り口近くにはハイテーブルと“プランチャー(鉄板)料理”を見せる長いカウンターのあるバル、奥はレンガの台でグリル料理を見せるレストランフロア。36坪50席ほどの店だが、各テーブルを見渡すと“ワイン不毛地帯”の上野で見事にワインが出ている。アトレ側もこの光景に満足しているに違いない。納堂友幸店長は「月商2,000〜2,200万円が目標です」と明かしたが、ランチと終電以降の深夜帯が課題のようだ。スペインバルブームで大手チェーン店も新業態でスペインバルに参入しているが、数ある中で「バニュルス」を選んだアトレ側の見識は評価したい。
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【筆者プロフィール】
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。1997年の金融不祥事発覚の突破口となった「野村證券総会屋利益供与事件(元社員の手記)」をスクープした『月刊BOSS』(編集長代理)など、数々の雑誌創刊に関わった後、2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長をつとめる。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2002年10月、フジTVと提携し『MENUマガジン』を創刊、vol.3までエディトラルアドバイザー。2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。
現在、レストラン・フードビジネス専門のプロデュース&プロモーション会社の有限会社カシェットを運営。2004年 10月から日刊紙の「フジサンケイビジネスアイ」日曜版で「行列 のできる店 仕掛人」シリーズ連載執筆。その他、日本ショッピングセンター協会、東京商工会議所渋谷支部で「商業施設における魅力ある飲食テナント誘致」等のテーマで講演。『月刊店舗』2005年8月号から06年1月号まで「食トレンドの先読み術」連載。テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」で“隠れ家レストランの仕掛け人”として、プロデュースした神楽坂「art et vin HAP(アール・エ・ヴァン ハプ)」が取り上げられる。





