飲食店・レストランの“トレンド”を毎日配信するフードビジネスニュースサイト「フードスタジアム」

編集長のコラム タイトル RSSフィード コラム タイトルバー

2010.03.18

「ネオ・大衆酒場」時代が来た!

やきとん、煮込み、ホルモン、浜焼き...。最近、急速に増えつつある"ベタコテ業態"。これまでは、それぞれのジャンルを極める"専門専科化"がテーマだったが、これからはむしろ新しい"総合化"の時代が来るのではないか。「ネオ・大衆酒場」時代の到来である。

「串かつでんがな」で鮮烈な“ベタコテ業態”への参入を果たしたフォーシーズ。同社が続いて投入してきたのが「鉄板酒場 鐡一」である。現在、赤羽と四谷に2店舗を展開。鉄板焼きと煮込み料理をメインとしているが、ビールや焼酎、かちわりワインとともに、「名物ホットとん」や「どて煮」など、これまでの大衆酒場料理に一味加えた多様なメニューを揃えている。店内には提灯がぶらさがり、BGMもどこか懐かしい。最近、サラリーマン・OLが多い田町、神保町にオープンした「大金星」は、朝挽きのもつ焼をはじめ、焼きたての「夜鳴き焼きそば」や牛、豚、鶏の卵とじ料理などを売りにした店。手がけたのは、「ろくまる五元豚」「鍋ぶん」のプロデューサー、カゲン・中村悌二氏と際コーポレーション・中島武氏のチーム。経営はレインズインターナショナルの「牛角」のFCなどを初期から展開した倶楽部二十九。既存のフランチャイズパッケージへの帰属をやめ、外部プロデューサーと組んで新しい大衆酒場業態へ挑戦したかたちだ。

“低価格”を切り口にした「ネオ・大衆酒場」も続々と生まれている。“均一低価格”の居酒屋チェーンが話題になっているが、4月のワタミによる「250円居酒屋」によって、このブームもピークアウトするのではないか。ワタミに先だち、レインズインターナショナルが二年ぶりの新業態となる「ぶっちぎり酒場」を渋谷にオープンした。“平成版大衆酒場”をうたっているが、メニュー全品294円の均一居酒屋である。養老乃滝は神田に一品100円台のメニューが並ぶ“激安酒場”「一軒め酒場」をひっそりとオープン。誰もが養老乃滝グループとは思わないが、いまや神田のサラリーマンの聖地化している。このように、「ちょっと一杯ひっかけて…」というサラリーマンのニーズの応える“安くて、旨くて、懐かしい”の三拍子が揃った「ネオ・大衆酒場」が、これからの東京の飲食マーケットをリードしていくような予感がする。

もちろん、鶏なら鶏、魚なら魚、ホルモンならホルモンに徹底的にこだわる“単一素材型”のベタコテ業態もさらに増えていくだろう。今日(3月18日)オープンする八丁堀の「東京鮪酒場」はマグロをコアコンテンツにしており、刺身から寿司まで出てくる店だ。“単一”でありながら、その素材の様々な提供法を考案した業態。経営するのは、かつてデザイナーズレストランブームをリードした企業の一つであるメッドダイニングだ。7年間“引退”していた掛本明夫オーナーがベタコテブームに我慢ができず再び動き出した。「でですけ」のエスカンの十河幸弘社長も大箱の「銀座ホルモン」の隣に3月23日、鶏専門業態「鶏バカ一代」をオープンする。十河さんのポリシーは、「魚なら魚、鶏なら鶏の“専門バカ”になれ!」というもの。バカといわれるぐらい、その分野を極めてこそプロであり、一流だという意味だ。

こうした“単一素材型”のベタコテ業態が進化発展をとげていくのと同時に、次のスタンダードとして「ネオ・大衆酒場」という新しい“総合居酒屋”も様々なかたちでマーケットを拡大していくだろう。時代もそれを志向している。自民党に代わる政治を期待して民主党に票を入れた国民は、最近の民主党のていたらくを見て、「もう政治には期待できない」と思いはじめている。デフレ不況は底知らずで、人々の心はえもいわれない不満、不信という“ガス”がたまっている。“龍馬ブーム”はそのハケ口であり、人々は時代の大転換、新しいヒーローの登場を待ちわびている。まさに今の世相は、幕末と似ている。明治維新の直前、民衆の“ガス抜き”として全国に沸き起こったのが、人々が踊りながら世直しを叫ぶ「ええじゃないか騒動」。「ネオ・大衆酒場」は現代人の“ガス抜き”の場である。そのうち、そうした世の中の空気を織り込んだ「ええじゃないか酒場」や「日本世直し酒場」などが出現してくるのではないか、そんな予感がしてならない。

 

※毎週木曜日に発行しているメルマガをぜひご購読ください。購読料は無料です。 購読方法はメルマガ登録フォームから。

この記事をブログに貼る

<a href = "http://food-stadium.com/blog/2010/blog712.html">「ネオ・大衆酒場」時代が来た!</a>

トラックバックURL

http://food-stadium.com/stf/mtc/mt-tb.cgi/600

PROFILE

佐藤こうぞう

佐藤こうぞう
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長。

その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。

続きを表示 >>

一方、レストラン・フードビジネスのコーディネートやマーケティング提案を行なうカシェットを運営。開業や出店のコンサルタントとしても活躍。また、「外食トレンドアナリスト」としてマーケット分析や業態トレンド予測などをテーマに講演・執筆を重ねている。
これまで、日本ショッピングセンター協会発行の『SC JAPAN TODAY』 で「食のマーケット&トレンド」を連載するなど、原稿執筆、コメント寄稿多数。
2007年5月、フードスタジアム株式会社を設立。業界トップのWEBニュースとして、現在月間PV600,000を超える東京レレストラン&グルメニュース「フードスタジアム」の拡大、全国展開に乗り出す。
アメブロで佐藤こうぞうオフィシャルブログ「つぶやき編集長の『毒にも薬にも…』」も開始。“裏つぶやき”として話題に。

信条;

  • 1.行動は野蛮に、思想は高邁に
  • 2.勘とネットワークとフットワーク
  • 3.経営者と共に学び、共に悩み、共に遊ぶ
好きなもの;
 ビール、ゴルフ、温浴施設、猫、夏

最新記事

バックナンバー

  • アサヒビール 琥珀の時間(こはくのとき)ドゥンケル・スタイル ここでしか味わえない。贅沢工程のお店限定ビール。

  • 2011年下半期「フードスタジアム」ヘッドライン記事PVトップ20、年間ランキング10の店舗を発表!1位に神田「ヴィノシティ マジス」。2月28日(火)に発表会及びトップ3表彰式を兼ねた「フードスタジアム・ウィンターパーティ」開催へ!

  • 日本リカー champagne TAITTINGER 2012「日本の春」ロゼワイン

  • 飲食店向け!トリスハイボールスターターキット提供中!注ぐだけの「トリスハイボール缶」も新登場!更に身近に簡単に「トリハイ」を!

  • 食べログバナー

  • 佐藤こうぞうオフィシャルブログ

  • 編集長のつぶやき(裏)

バーコード:http://food-stadium.com/

携帯でもヘッドラインが読める「フードスタジアムモバイル」はこちら。

http://food-stadium.com/